前回に続いて武夷岩茶の名茶を紹介しましょう。
★白鶏冠
|
白鶏冠の茶畑 |
「大紅袍は有名なお茶、白鶏冠は本当に美味しいお茶」と言われ、多くのファンがいます。
白鶏冠の原産には2つの説があり、1つは、武夷宮止止庵白蛇洞口、もう1つは、慧苑岩火焔峰の下にある外鬼洞です。葉が鶏冠のように見え、葉の周りが白く縁取られていることから名付けられました。
白鶏冠にも伝説があります。
明代にある地方の長官が赴任の途中に武夷山に泊まった際、息子の腹が突然膨らみ、どんな薬でも効きませんでした。長官は、寺の僧侶が持ってきてくれたお茶を一口飲んだ後、それを息子に飲ませました。そのお茶は「白鶏冠」でした。
親子が武夷山を出発すると、息子の病気が快復し、「白鶏冠」のおかげだということが分かったのです。
長官はすぐに皇帝に報告し、同時にその僧侶に同じ茶葉をもらって献上しました。皇帝はそれを飲んだ後、僧侶に年に銀100両、粟40石をやって、毎年お茶を献上するように命じました。
それ以来、清代まで献上茶として生産され、薬用茶として有名になったのです。
★水金亀
このお茶は、岩茶の中でもとても爽やかなお茶として人気があります。
原産地は、杜葛寨峰の下にある半岩の上。天心寺の茶樹が大雨で流され、牛欄坑の石のくぼみで止まり、茶が採れるようになったといわれ、木の根が亀のように見え、水に流されてやってきたので水金亀という名が付いたという伝説もあります。
★鉄羅漢
岩茶の中で最初に有名になったお茶で、1949年の調査の時には、その原産地は3つの説がありました。1つは、慧苑岩の鬼洞内、そして、竹ス岩長ス内、さらにもう1つは、馬頭岩です。
難病を治すことでも有名で、少量しか生産されませんが、人気が高いお茶です。
【ワンポイント・メモ】
今回紹介したお茶は、非常に貴重で高価なものです。烏竜茶の作法に従って茶壺で淹れて下さい。
ただし、茶葉は大きいものが多く、包揉捻(丸めて揉むこと)されていないので、普通の烏竜茶より少し多めに茶葉を入れるのがコツです。
|
|
|
棚橋篁峰 中国茶文化国際検定協会会長、日中友好漢詩協会理事長、中国西北大学名誉教授。漢詩の創作、普及、日中交流に精力的な活動を続ける。
|
|
|
|
|