北京ウォッチングJ 邱華棟=文 劉世昭=写真
 
日常を忘れる遊びの場
 
 
 
北京遊楽園

 今日、都市で遊ぶことは、疑いようのない事実になっている。人々が都市に娯楽施設を作ったのは、そこで極上の楽しみを体験するためだ。都市に住む大部分の人は通常、日常の中で生活している。穏やかかつ静かで、平凡な日常だ。しかし時には、目新しい刺激を得ることによって、自分の情緒を高い状態へと持っていき、平凡な毎日の悩みを吹き飛ばしたいと欲する。そこで、娯楽施設に行くのだ。

 人間には遊びの天性がある。現代の市場経済の管理システムのなかで、都市の人々は働き蜂のように疲れを知らずに生きているが、自由やリラックスにあこがれるのは、昔から変わらない人間の天性だ。

 北京の娯楽施設のひとつに大型の野外総合遊園地がある。例えば、石景山遊楽園には、中国式の園林やヨーロッパ風の建築物があって、そこの目玉は、シンデレラ城や人工波のプール、水上の娯楽、カーレース場などだ。市の東南部にある北京遊楽園は、ディズニーランドとヨーロッパ郊外の公園の風情を取り入れ、中国の園林景観のスタイルで作られた大型の国際的な遊園地。この2つの遊園地は、どちらも市街地にある。

北京郊外の懐柔にある水上娯楽施設は、市民が夏にレジャーを楽しむ最高の場所だ

 郊外の昌平、密雲、懐柔にある九竜遊楽園、原始部落遊楽園、白河遊楽園は、山村レジャーと水上の娯楽が一体となった総合遊園地である。

 単一の娯楽施設について言えば、大興区には、乗馬の練習ができる騎士公園がある。そこには200匹のイリ馬(カザフ族遊牧民が乗る馬)がいて、1万5000メートルのレースコースで自由に乗馬ができる。順義区の郷村競馬場では、毎週馬のレースが行われており、賭けることもできる。また、順翔カートという小型レーシングカーのクラブがあり、そこではカーレースを行える。これ以上小さくできないほど小さなレーシングカートは、まるで4つの車輪の上に人を乗せて疾走しているようだ。

 この他、北京には8つのゴルフ場と数多くのゴルフ練習場がある。中でも、順義区にある北京ゴルフクラブと郷村ゴルフクラブは、設備が最も充実している。前者は18ホール・パー12、後者は27ホール・パー108のゴルフ場だ。ゴルフは、日光、散歩、緑地と密接に関係している。西洋から始まったこの競技は、スポーツの1種とも言えるが、むしろ、散歩をしながらボールをホールに入れるゲームみたいなものである。大部分の中国人はこの競技についてあまり知らない。ゴルフ場は、費用が高く、市街地から遠く離れているので、実際に見たことがない人もいる。

 現在、一般の北京市民に最も人気があるスポーツは、テニスとボウリングだろう。北京には大きなテニス場が八つある。亜運村の康楽宮テニス場、国際テニスセンター、北体テニス館、新世紀飯店のテニス場、賽特倶楽部のテニス館などは、朝八時から夜10時まで開放されている。

北京東の燕郊経済開発区にある華堂ゴルフ場

 一方、北京のボウリング・レーンは全部で8000本以上あり、今では完全に庶民的でブルーカラー化されたスポーツとなった。

 北京は、まだほかにどんな面白い遊びがあるのか? どんなスポーツが流行っているのか? それは、水泳、ローラースケート、魚釣りだろう。

 北京には300以上のプール施設があるが、夏になるとどこもいっぱいだ。ローラースケートは、新しい遊びの一つで、専用のシューズにはたくさんのローラーが付いているので、上手くやらないと転んでケガをしてしまう。スケートリンクは非常に込んでいる。周辺にはディスコミュージックが流れているので、奔馬のように勢いよく遊べる。魚釣りは、辛抱強さが必要だ。北京では、朝陽区、海淀区、豊台区、房山区及び一部の郊外にある数十カ所の釣堀で、魚釣りを楽しむことができる。

 
 
邱華棟 1969年新疆生まれ。雑誌『青年文学』の執行編集長、北京作家協会理事。16歳から作品を発表。主な著書に長編小説『夏天的禁忌(夏の禁忌)』『夜晩的諾言(夜の約束)』など。他にも中・短編小説、散文、詩歌などを精力的に執筆し、これまでに発表した作品は、合わせて400万字以上に及ぶ。作品の一部は、フランス語、ドイツ語、日本語、 リ国語、英語に翻訳され海外でも出版されている。  
 

 
本社:中国北京西城区車公荘大街3号
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