エンターテインメント&ブック
映画コレクション
『孔雀』(孔雀)2005年2月上映


 撮影カメラマンの顧長衛が撮った初めての作品。1970年代中国の、庶民の生活を描き、2005年のベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞した。

『頭文字D』(頭文字D)2005年6月上映

 日本の同タイトル漫画を改編したもので、周傑倫が主人公の藤原拓海に扮している。原作漫画の人気、出演しているアイドルの魅力、そしてスリリングなカーレースの場面は、夏休み中の若者にとても好評だった。

『七剣』(セブン ソード)2005年7月上映

 武侠映画の監督、徐克による今までとは違ったスタイルを持つ作品。7人の剣客が共に手を合わせて暴政に抵抗し、正義を広める物語。

『媽媽』(ママ)2005年8月

 1989年、北京電影学院を卒業したばかりの張元は、自ら資金を集めて初めての映画『媽媽』を撮影した。夫に捨てられた妻が、一人で知的障害の息子を育てるという物語を、自然なタッチで描き出している。この映画は、今まで国内で公開されていなかったが、今回ベネチア映画祭中国映画百年展のイベントに選ばれた。これは今まで「アングラ映画」とみなされていた作品が、その姿を現し始める兆しのように思える。

『神話』(The Myth)2005年9月上映


 アクション映画のスター、ジャッキー・チェンの最新作。物語は2000年前。秦朝の将軍・蒙毅(ジャッキー・チェン)は、妃になるため秦に向かう朝鮮のオクス姫(金喜善、キム・ヒソン)を護送している途中、反乱軍の待ち伏せ攻撃に会い、2人は滝に落ちてしまう。2000年後、考古学者のジャック(ジャッキー・チェン)は、時空を横断し、オクス姫を守る任務を再び担うのだった。

『無極』(THE PROMISE)
2005年9月成都、12月米国上映

 貧しい子供だった傾城は、あることから王妃になる。しかしそれと引き換えに、傾城の運命は呪われ、時が逆戻りか転生しない限り、本当の愛は永遠に得られなくなってしまった。しかし1人の身分の卑しい奴隷が、自分の命をささ ーてその呪いを解くことを望む。そして彼は光の速さに近づくよう駆け、時間を逆戻りさせようとするのだった。

 本映画は陳凱歌の最新作で、中国、日本、韓国の俳優と製作班が集まり、2005年末、最も期待されている映画の一つである。来年『無極』は、中国映画の代表作としてアカデミー賞を競う。

『千里走単騎』
(単騎、千里を走る。) 2005年12月上映

 舞台は現代の中国と日本。1人の民俗学の研究者であった日本人の青年は、不幸にして不治の病になる。父親は息子のたっての願いを実現するために、単身、中国の奥地に赴くのだが……。

 本映画は張芸謀によるもので、日本の俳優、高倉健が父親役を演じている。『無極』と違って、張芸謀はこの作品の撮影中、メディアに多く語っていない。張芸謀はこれから商業映画を続けていくのか、それとも再び芸術的路線に戻るのかは注目されるところである。

『如果・愛』
(パーハップス・ラブ 仮題)2005年12月上映

 中国ではあまり見られないミュージカル映画で、周迅、金城武、池珍熙などの多くのスターが集結した。貧しい家の出身の女優、孫納は、様々な手段を使って、誰もが羨む大スターになった。しかし彼女は、どうしても過去の苦しい経験を忘れられない。そんな時、彼女の人生の中で大切な2人の男性が現れる。3人は共演することになり、その映画の内容と運命は、彼女の人生とあまりにも似ているのだった。


推薦書
中国中日関係史学会・編   武吉次郎・訳
『新中国に貢献した日本人たち――友情で綴る戦後史の一コマ』

 本書は、いわば「秘められた戦後史の一コマ」で、日本の敗戦から新中国の建国初期までという特殊な歴史を背景に、中国に残った2万あまりの日本人がどのように生き、何を感じ、中国の人々と友情を深めたのかを、代表的事例を通じて赤裸々に、感動的に叙述したものである。 

 例えば、林弥一郎氏の率いる航空隊は、航空学校創立を援助して、新中国初代のパイロットを養成した。大塚有章氏は、日本青年による突撃隊を組織し、中国東北地区の建設を支援したなどである。

 すでに多くの関係者がそれぞれの体験を書いているが、これだけ全体像がまとめられているのは初めてであり、訳者は、中国だけでなく、日本でも広く読み語り継がれるようにと念願している。

 本書は、中国中日関係史学会によって編纂されたものである。1999年から1年にわたる準備を経て、両国関係部門から支持を得、編集委員会も設立した。2001年3月からは、学会の取材チームが数回訪日して当事者に会い、中国国内でも当時の事情に詳しい人を訪ねて史料収集につとめ、中日国交正常化30周年の前夜に刊行された。 (日本僑報社)

李冰・編、著
『感動中国的作家』(中国人を感動させた作家たち)

 本書は、『北京娯楽信報』の文化コラム――「中国人を感動させた作家たち」の文章をまとめた文集である。魯迅、張恨水、金庸、王小波、劉震雲ほか、現代の著名な学者、作家、記者など、35人の文化人が名を揃えている。短い文章だが力強く、それぞれの文章スタイル、視点は異なっており、誰も知らない有名人の私生活の断片、作品の中での読者と作家の精神的出会い、その中から生じた生活に対する思いなどが書かれている。

 学者の王幹と女流作家の虹影は、ともに魯迅について文章を書いているが、それぞれの内容は違っている。王幹は、彼が最も影響を受けた魯迅の作品『両地書』について書いており、文化的な生活が乏しかった70年代末、恋人と、その本を手本にして恋文を書き、愛を伝えあった。虹影がもっと関心を寄せたのは、日本に留学した時の魯迅である。彼女は、当時の憂鬱で寂しい青年魯迅の生活を描き、魯迅のあまり知られていない性格の一面を見せてくれる。  (中国文聯出版社)

鍾麗思・著
『頑童時代』(腕白時代)

 「かつての軍隊家族住宅区の子どもたちは、みんなとても腕白だった。幼い子どもたちはいつも集まり、土を掘ってコオロギを捕まえ、屋上に登って煙突を塞いだ。10代の少年はもっとはげしく、こっそり馬に乗り、車を運転し、親の銃を盗んで遊び、将校の父親たちをとても困らせた。そして最後に、この子どもたちを取り締まったのは、やはり同じような年の17、18歳の警備員、通信兵だった」

 中国の人にとって、1950年代の生活は貧しくて単調だったという印象があるが、鍾麗思の自由勝手で興味が尽きない腕白な子ども時代は、そんな生活とは無関係だった。それは、今の都市の子どもたちにとってうらやましくてたまらない「自由放任」の時代でもあったのだ。そのためこの小説は、中国版の『窓ぎわのトットちゃん(黒柳徹子著)』と読者に親しまれている。  (新世界出版社)

『人民中国』おすすめのベストテン

1.『超級女声宝典』 三宝・編 新華出版社

2.『蘭ソウ 徐静蕾』 徐静蕾・著 長江文芸出版社

3.『胡適口述自伝』 胡適・口述 唐徳剛・注 広西師範大学出版社

4.『思想的設計――黒川雅之与日本的当代設計文化』 呉晨栄・著 上海書店出版社

5.『安楽堂』 高陽・著 新星出版社

6.『人和食物是平等的』 殳ショウ・著 新星出版社

7.『LOGO文化史』 銭定平・著 新星出版社

8.『猟頭』 王洪浩・著 南方日報出版社

9.『中国並購報告2005』 全球並購研究中心・編 人民郵電出版社

10.『大長今養生御膳』 韓福麗・著 遊芯キン・訳 訳林出版社



 
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