東京支局長 林崇珍=文・写真 |
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東京・千代田区にある日本棋院の正門を入ると、左側のショーウインドーに、漫画がずらりと並んでいました。よく見ると『ヒカルの碁』という漫画です。 1998年から2年にわたり、『週刊少年ジャンプ』に連載された超人気の囲碁漫画で、それに基づいて作られたテレビアニメも2001年から3年にわたりテレビ東京系列で放送されました。 平安時代の天才棋士、藤原佐為の魂が、少年、進藤ヒカルの中に入り込み、囲碁にとりつかれたヒカルが「神の一手」を目指して奮闘するストーリーです。あまり知られていない囲碁界の仕組みや世界の囲碁の現状なども生き生きと描かれていて、人気を博しました。 この『ヒカルの碁』に触発されて、日本の小中学生の間に囲碁ブームが起こりました。レジャー白書によると、日本の囲碁人口は、2004年に450万人になり、6年間で60万人増加したそうです。 子どもたちが囲碁を始めるきっかけは、以前は「祖父や父に教わった」が多かったのですが、最近は『ヒカルの碁』を挙げる子どもが多いといいます。 |
実は、中国でも、『ヒカルの碁』は人気があります。『ヒカルの碁』は『棋魂』と訳されて、インターネットの掲示板に数多く登場しています。「私は『棋魂』が大好き。日本人の心も少し理解できた」という書き込みもありました。 張芸謀が監督し、高倉健が主演する中国映画『単騎、千里を走る』は近く日本でも公開されますが、昨年10月に開催された東京国際映画祭のために日本に来た張監督は「親子関係を描くだけでなく、人と人との結びつきという人類の普遍的なテーマを描こうとした」と述べていました。 アジアの国々には、普遍的なものがたくさんあります。これを素材にして、庶民同士がもっと理解し合うことができないか、と私は考えています。
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