メディアフォーカス MEDIA FOCUS

『中国新聞週刊』

学費改革の道筋

 中国は1986年から「9年制義務教育」を実施しているが、免除されているのは授業料だけである。現在、小学生は雑費、教科書代として毎年360元、中学生は660元を払わなければならない。

 そのほか、「教育の産業化」によって選校費(指定された地域外の中学校に入学する場合、必要な経費)、補講料などの雑費を支払わなければならないため、貧困家庭の子供たちはいい学校には入れず、中途退学する児童・生徒もいる。

 学費の負担を軽くするために2005年、農村義務教育の無料化の計画を取り決め、2007年には全国の農村で「両免一補」(教科書代、雑費を免除し、寄宿学生には生活費を補助する)の政策を施行し、2010年には、全国全ての農村に義務教育の無料化を実現させる。

 農村での無料義務教育の実施は、農民の負担を大いに軽減する。全国に約1億人の農村学生は、免除される教育費が、約400億元に達し、その金額は農業税の免除額に相当する。

 教育部の関係者は、「学費の改革は順序を追って進めるプロセス」との見解を示している。義務教育無料化は、経済発達していない地域から実施され、数年後には全国にその恩恵が及ぶ見込みである。

『瞭望東方週刊』
「自転車王国」の没落?

 中国はかつて「自転車王国」と呼ばれていた。1980年代、天安門前を走る洪水のような自転車の流れが写された写真を、今でも忘れることができない人は多いだろう。統計によると、その当時、中国の自転車保有台数は5億台に達していた。

 20年後の今日、ラッシュアワーの時間帯であっても、十字路を通る自転車はめっきり減ってしまった。生活範囲が広がるにつれ、自転車では人々の交通面の要求を満足させられなくなり、自動車を購入する経済力を持った今、ますます自転車は冷遇されるようになった。かつて自転車を購入していたのはほとんどが学生たちだったが、複雑な道路状況の中、親は子供の安全を守るため、バスで通学させ、車で送り迎えするようになった。

 国内の自転車市場が衰退すると同時に、2003年の海外市場も、欧米諸国の高額な反ダンピング税のあおりを受け、中国自転車企業は苦境に立たされている。

 人気のない自転車だが、関連資料によると今後、数年内はなお中国の主要な短距離の交通手段に用いられるとしている。中小都市、農村などが自転車市場として開拓され、「節約型社会」になるに従って、「環境保護をめざす交通手段」としての自転車は、再びその勢いを盛り返すかも知れない。


『新民週刊』
都市の高齢者調査

 養老院で生活する81歳の朱瑕玲さんは、毎日がとても充実しているという。1日3度の食事、書道、中国将棋やマージャン、トランプなどを楽しんだり、歌を歌ったりする生活は、高齢化する都市・上海では、多くの高齢者が望んでも得られない生活だ。

 現在、上海の60歳以上の高齢者は260万人を超え、戸籍人口総数の約20%を占める。そのうち71万人近くが子供と別れて暮らしている。高齢者の中には、子供はいるが身近にいない場合や、子供が面倒を見る時間がないため、やむを得ず両親を養老院に入居させるケースが多い。

 また孤独を紛らわし、子供たちに広い生活空間を提供したいという理由で養老院に入る高齢者もいる。しかし、上海市の養老施設はわずか439カ所で、ベッド数も約4万床。そのため入居者数の2倍ほどの高齢者が、順番を待っている。

 統計によると、2020年の上海では、3人に1人が高齢者になる。日増しに深刻化している老人問題を解決するために、上海市政府は2005年、5年の内にベッド数を5万床増やすと決めた。また民営養老院の発展を扶助し、高額の入院費用を下げる。さらに、高齢者の健康、経済状況を判定するシステムを作り、公共の養老施設を、判定の基準に従って高齢者に提供するとしている。



 
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