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儒家の祖・孔子は、魯国の執政大官を捨て、「仁」を説いて弟子と遍歴するが、孔子の思想を受け入れる国はなかった。失意の中でも決してあきらめなかった孔子の人生には、「聖人」の姿が浮かぶ。 モダニズムを追求する年代にあって、孔子に関した本を書くことは、時宜にかなっていないかも知れない。しかし翻って考えれば、孔子本人も時代を超越した人物であった。 なぜ今孔子を書くのかと問われた著者の銭寧は、「孔子は私を感動させた。司馬遷の『孔子世家』を読んだとき、孔子が頑張りぬこうとしていたのは何かということよりも、数々の失敗を体験してもあきらめない孔子の姿に、説明しがたい感動を覚えた」と語っている。 『興亡夢の如し―秦の宰相李斯』(同著者)と同じように、小説の中では、少し誇張されている所もあるが、折々現代的なユーモアを交えながらも、人物、史実、内容、言葉は根拠に基づいて書かれている。 |
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