「中国が東アジア地域で支配的な地位を追求することは絶対にありえない。中国の発展は、いかなる人の妨げとなることはなく、いかなる国の脅威となることもない」。温家宝総理は、第一回東アジアサミットでこう強調した。
第一回東アジアサミットは2005年12月14日、マレーシアの首都クアラルンプールで開かれ、東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国、中国、オーストラリア、ニュージーランド、日本、韓国、インドの国家元首や政府首脳が出席した。そして、『東アジアサミットに関するクアラルンプール宣言』と『鳥インフルエンザの予防、抑制、対応に関する東アジアサミット宣言』を発表した。
これらの宣言では、各国が平等なパートナーシップ精神と協商一致の原則に基づいて、協力を強化し友情を増進することで平和な環境を作り上げ、東アジア地域および世界の平和や安全、経済繁栄に貢献したいと表明している。また、鳥インフルエンザの予防、抑制などの問題についても協力を深めるとしている。
中国は「東アジア共同体」の積極的な推進者だ。03年、域外国として初めて『東南アジア友好協力条約(TAC)』に加盟した。また、これに続き、ASEANとの間で『自由貿易協定(FTA)』に調印し、率先して戦略パートナーシップを構築した。現在、中国・ASEAN戦略パートナーシップの『活動計画』は本格的に実施され、全面的な関税の引き下げも始まった。サービス貿易や投資協議も進められている。
2000年の双方の貿易総額はわずか400億ドルだったが、04年には1000億ドルを突破し、それぞれ互いの貿易相手国上位5位に入った。05年には中国・ASEAN間のFTAが始動し、2010年には双方の貿易総額は2000億ドルに達すると予想される。
中国は今回のサミットで、ASEANが東アジアサミットと地域協力において主導的な役割を果たすことや、ASEANプラス3(中日韓)の枠組みを「東アジア共同体」の主なルートとすることを提案した。また、サミットの開放性と透明性を維持すべきだと主張した。これにより、中国は東アジアの平和維持と地域協力を促進するために力を尽くすというゆるぎない立場を再度表明しただけでなく、「東アジア共同体」をより推進するために積極的な役割を果たした。
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