東京支局長 林崇珍=文・写真 |
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去年11月の下旬、東京の国立オリンピック青少年センターで、こんな光景を見ました。浴衣姿で盆踊りを踊っている日本人の高校生たちと、それをとりまいて「好!」と中国語で掛け声をかけながら楽しんでいる中国人の高校生たちでした。 日本青少年研究所(東京・新宿区、千保石理事長)が主催する日本全国高校生の「いきいき活動奨励賞」の表彰式が行われた会場でのことです。中国の高校生たちは、同研究所が毎年、実施している「中国高校生日本語作文コンクール」で選ばれた生徒たち10人で、中国の赤峰市(内蒙古)、西安市(陝西)、武漢市(湖北)など中国の内陸部から日本に招待されてやって来ました。みな、日本語を勉強しています。 彼らは同世代の日本人高校生をどのように見たでしょうか。 17歳の洛陽外国語学校高等部1年の韓光君は、日本滞在中に東京都立三田高校を訪問し、日本人の学生といっしょに授業を受けたり、部活を見学したりしました。その感想は―― 「日本では『学級崩壊』という現象があると聞いてはいました。実際に体験してみると、確かに、日本の学生は授業が好きではないことが分かりました。授業中に大声でしゃべったり、寝たりしている生徒もいました。それでも先生は、平気で授業を続けています。それは、中国の学校では絶対許されないことです」 |
しかし、韓君は、日本の高校生について、別の一面も見ていました。「いきいき活動奨励賞」で表彰されたムラサキ保護研究班の「南部紫根染め」は、「チームワークで故郷の伝統工芸を調べた力作でした。日本の高校生たちは、社会と密着していることがよくわかり、深く感心しました」と言うのです。 とはいえ中国では、教科書だけに集中する受験勉強で、子どもたちと社会との接触が少なくなり、豊かな心が育っていないという意見が強まっています。日本では「ゆとり教育」への批判が高まっているのに、中国では「もっとゆとりのある教育」という声が出ているのです。 互いに羨望を持ちながら、互いに相手の優れた点を認め合う。こうした青少年交流から、相互理解が生まれてくるのかも知れません。 今年の3月末、今回の「いきいき活動奨励賞」の受賞者代表団が中国を訪問することになっています。
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