漁師の復讐を描く京劇の名作
中国伝統劇に『打漁殺家』の物語がある。北宋(960〜1127年)の晩期、梁山泊の英雄・阮小七は蕭恩と名を変え、娘の桂英と助け合って生活していた。
ある日、川で魚を捕っていた蕭恩は、友人の李俊と倪栄に会い、2人を舟に招いて、魚を振舞い、酒を酌み交わしていた。その時、網元である丁子燮の下僕が現れ、漁業税を厳しく催促するが、李俊たち2人の好漢に追い払われてしまった。
次の日、再び現れた丁家の下僕は、税を取り立てようとするだけに止まらず、手まで出してきた。これ以上我慢できなくなった蕭恩は、悪党を追い払い、民を苦しめている丁家の悪行を役所に訴えに行くのだった。
しかし、役所はすでに丁子燮と通じていた。40叩きの刑を受けた蕭恩は、皮膚が破れ肉が裂けるほどの痛手を負い、さらに丁家へ謝罪に行くよう命じられた。
その夜、蕭恩は、戒刀を忍ばせた贈り物を娘に持たせ、丁家に向かった。そして仇敵である丁子燮を亡き者にした。
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