チャイナスコープ
省エネと環境保護に向けて
新たな生産と消費を導く消費税政策
                                       張春侠

上海国際モーターショー。小排気量自動車は市民の人気の的になっている

 北京最大の自動車取引市場の一つ、亜運村(アジア大会選手村)自動車取引市場。ゼネラルモーターズ、フォルクスワーゲンなど小排気量自動車の展示場前には、新車を買い求める人たちが絶え間なく訪れ、今まで人気のあった2000cc以上の車は、冷たい視線を浴びている。

 「今、小排気量の自動車のセールスは、ますます盛んになっています。情報の問い合わせだけでなく、車を購入する人たちの数も明らかに増加していて、特に週末になると、毎日多くの車が販売されています」と、フォルクスワーゲンのセールスマンは興奮気味に語る。

 今年の4月1日から中国政府は、消費税政策の大幅な調整を行った。新しい政策は、排気量の大きい自動車の税率を上げ、小排気量の自動車の税負担を軽減した。
 
 また石油製品の徴税範囲を拡大するほか、木の割りばしやフローリング材などに5%の消費税を徴収する。これらは程度こそ異なるが、消費マーケットにある程度の影響をもたらしている。
 
 中国の消費税が設けられたのは1994年。当時その対象となったのは、タバコ、酒、小型自動車など11品目だった。しかし経済の発展に伴って、中国の消費水準と消費構造は大きな変化を遂げた。
 
 現在、中国の自動車市場は、米国、日本に次ぐ世界3位になり、車の消費する石油は、国内で消費する石油の3分の1を占めている。
 
 これ以外に、割りばしの生産と使用は、多くの木材を消費するだけでなく、環境汚染をも引き起こした。統計によると、毎年、中国国内での割りばしの販売量は1000万箱で、輸出は600万箱。毎年使われる木材は130万立方メートルに及ぶ。
 
 飲食店経営者たちは、割りばしにかけられた消費税を、一本で計算するとほんのわずかに過ぎないことから、マーケット自体に大きな影響はないと分析している。
 
 しかし税収政策が、消費傾向に作用していることは、あきらかである。「新浪」ネットで行ったアンケート調査では、2500人のうち73%の人が、割りばしの使用を減らすと考えていることが分かった。
 
 間違いなく今回の消費税政策の調整は、省エネと環境保護を促し、よい循環での生産と消費を導くための積極的な推進力になっている。


 
本社:中国北京西城区車公荘大街3号
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