チャイナスコープ
青空を増やす「ノーマイカー・デー」
自主的に始まった環境保護
                                       張春侠

多くの人が自転車で通勤した「世界環境デー」 (写真・劉世昭)

 「世界環境デー」だった6月5日、「環境保護は自分自身から」と、北京の25万人のマイカー族が1日、車に乗るのを止め、徒歩や自転車、路線バス、地下鉄などの公共交通を利用して通勤した。これは、北京の112のドライバー関連団体、民間環境保護組織やマスコミが、「首都の青空を一日でも増やすために、自動車の運転を月に一日減らそう」と呼びかけて行われたもので一連の環境保護活動としては大々的だった。

 長い間、中国の環境保護事業は、そのほとんどが政府の提唱で行われ、人々の積極的な参加は少なかった。1990年代、「自然の友」などの民間環境保護組織が現れ、活動が活発になると、普通の人たちも環境保護に積極的に参加するようになった。

 6月5日に発表された『中国の環境保護白書(1996〜2005)』では、過去10年間、中国は環境保護のためにたゆまぬ努力をしてきたが、環境の状況は依然として厳しく、中国が発展する中で重要な問題だとしている。国家環境保護総局の祝光耀副局長は、中国の環境汚染による経済損失は、GDP(国内総生産)の10%を占めていると語る。

 中国の人たちの生活レベルが絶えず向上し、科学的発展観も深く理解されるにつれ、環境問題は、ますます人々の関心の的になっている。国家環境保護総局が指導して編纂した『中国国民の環境保護と生活指数に関する緑書(2005)』では、環境保護に対する人々の認識度は85.4%で、27.1%の人が環境汚染にとても関心を持っている。しかし、この3カ月の間に環境保護活動に参加した人は、6.3%にすぎない。

 環境保護は、国の経済や国民の生活にかかわる大切なことで、人々の力は不可欠だ。そのため、国民が環境保護活動に参加するように年始に出されたのが、『環境影響評価の国民参加規則』だ。そして『環境保護の国民参加規則』の立法も正式に始まっている。今回の「ノーマイカー活動」は、そういう背景の中で行われた。


 
本社:中国北京西城区車公荘大街3号
人民中国インタ-ネット版に掲載された記事・写真の無断転載を禁じます。