メディアフォーカス MEDIA FOCUS
『南風窓』
復活した香港の活力

 今年、唐英年香港財務長官にとって、喜ばしいことが2つあった。

 1つは、香港復帰の1997年以降、初めて香港政府が、経営と総合項目でともに黒字の成績を収め、アジア金融危機以来の経済低迷から完全に抜け出したことだ。

 もう1つは、スイスのローザンヌに本拠をおく、経営開発国際研究所発行の『世界競争力年鑑』で、香港が2年続けて世界競争力2位の地位を守り、政府活動の効率も世界1位になったことである。

 こうした香港の成績は、香港政府の効率的で廉潔な行政と、「積極的だが関与しない」という政策実施の結果によるものだろう。

 「積極的だが関与しない」政策とは、政府が市場経済の中で、審判員のような役割を担い、法律法規を制定して経済のトラブルを解決し、公平な取引環境を維持することだ。そのため政府自身も、民間と利益を争うような公有企業を、多く作らないことにしている。

 同時に香港政府は、個人企業より平均20%から40%高い給料を公務員に支払い、手厚い医療、住宅、休暇などの福利待遇と、腐敗を厳しく処罰することで、公務員の清廉潔白を保っている。

 そのほかにも、シンプルな構造、明確な職責を定めた政府機構も、香港政府の活動に高い効率をもたらしている。

 現在の香港は、世界に向けて企業の投資を誘致し、ハイテク製品の研究、開発を通して、経済の発展をさらに推し進めようとしているところである。


『瞭望東方週刊』
タクシー値上げに賛否両論

 2006年4月、北京市のタクシー関連企業や運転手、消費者協会の代表22人が参加して、タクシー料金を1キロ1.6元から2元に上げるべきかどうかについての公聴会が行われた。

 北京市タクシー会社の代表は、1998年から現在まで、ガソリン価格は倍以上に値上がりしているにもかかわらず、タクシー料金はそれに見合った値上げが行われていない。これは、タクシー関連企業と運転手にとってみれば、不合理だと言う。

 一方、消費者協会は、料金の値上がりに反対し、タクシーの運営コストは、タクシー関連企業と運転手、乗客がともに分担するもので、乗客だけに負担を押しつけるのはおかしいと指摘した。

 タクシー運転手代表の胡永薪さんは、料金の値上がりによって、収入が増える可能性もあるが、値上がりした後、乗客が減り、かえって収入が少なくなることを心配していると語った。

 最終的に、参加者の56%が値上げに賛成し、現在、北京のタクシー料金は、1キロ2元になっている。

 タクシー料金のような、公共性にかかわる価格設定の問題については、『政府指定価格行為規則』の中で、政府が価格を決定する手続きを厳しく限定しており、全ての価格方案は、コストの監督・審査、専門家の論証と公聴会というプロセスを経なければならない。そして、人々に実情の理解と、意見の発表をさせると規定している。


『三聯生活週刊』

大金を稼ぎ出す「彩鈴」

 中国では、携帯電話の呼び出し音のことを「彩鈴」と言っている。この「彩鈴」は、音楽のメロディーだけでなく、笑い話もあり、日本ではあまり見られないサービスだ。この商品を開発した韓国人は、まさか「彩鈴」が、中国で億元以上を稼ぎ出すビジネスになるとは、考えもしなかっただろう。

 「吾酷」は、現在、比較的よく知られた「彩鈴」制作グループで、彼らが改編したユーモラスな曲は、とても好評だ。多くの携帯ユーザーが、料金を支払ってネットでダウンロードし、自分の携帯の「彩鈴」にしている。それによって、「吾酷」と携帯のサービス会社は、300万元を超える収入を得た。

 統計によると、携帯サービス会社の一つ、中国移動通信集団公司(チャイナモバイル)では、4000万以上の携帯ユーザーが「彩鈴」を使い、2005年の「彩鈴」による収入は、34億2300万元に上った。

 「彩鈴」の盛況によって、多くの都市では、市民が参加する「彩鈴」制作コンテストが行われ、人々に簡単で気軽な娯楽として楽しまれている。

 レコード会社も、以前の販売方法を変え、2005年、曲を「彩鈴」に作り変えて販売し、少なくとも4億6000万元の利益を得た。鳥人レコード会社を創設した周亜平氏は、「現在、ネットにある『彩鈴』は2万曲を超えている。しかし本当に儲かる曲は20%にしか過ぎない。一新興業種としての『彩鈴』は、一握りの人には一夜にして大金をもたらすが、すべての人にその恩恵を与えるわけではない」と言っている。

 

 
本社:中国北京西城区車公荘大街3号
人民中国インタ-ネット版に掲載された記事・写真の無断転載を禁じます。