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収入分配制度改革は、貧富の格差を縮め、調和の取れた社会を構築するための重要な措置である(写真・劉世昭) |
7月8日、北京の国有大企業で働く何さんは、給料が先月より600元少ないことに気がついた。同僚の給料も程度の差こそあれ、それぞれ減っていた。
今年の6月と7月、約160の、国務院国有資産監督管理委員会直属の企業で働く人たちの給料が変化した。これは、中国が収入分配制度を改革して以来のことで、関係部門が独占業種の高福祉に対して、制限と調整・コントロールを行った最初の実質的な動きである。
改革開放以降、国民経済は持続的で急速な発展を遂げ、都市と農村の人たちの収入は大幅に上がった。しかしそれと同時に、都市と農村、地域間、業種間の収入の格差は絶えず広がってきた。
近年来、所得分布の格差を表すジニ係数は、国際公認の「警戒ライン」の0.4を超え、今なお拡大し続けている。2005年、都市と農村の住民の収入格差はすでに3.22対1に達し、2004年の1人当たりの国内総生産(GDP)を見ると、最も高い上海は、最も低い貴州省の13倍だった。
2002年から拡大しつつある収入の格差は、中央指導者の高い関心を引いた。今年1月1日、『中華人民共和国公務員法』が正式に実施され、公務員の国家統一の賃金制度が明確に規定された。5月26日、中央政治局は会議を招集し、特に「収入分配制度の改革と収入分配秩序の規範化に関する問題」を討論、検討した。
また公務員の賃金制度改革を深化させ、地域間の収入格差を縮小し、地域の特別手当制度、特に困難な辺境地区の特別手当制度を充実させるなどの重要な対策が示され、『収入分配制度の改革の推進に関する意見』の草案も作られている。
収入の格差が広がり、貧富の差があまりにも大きいと、社会に深刻な分化や様々な社会の矛盾を引き起こすだけでなく、社会全体の調和の取れた発展にもマイナスの影響を及ぼす。このような背景の中で、中国政府が収入分配制度の改革を大いに推し進めることは、社会の公平と公正を保障し、社会の安定を保つために、計り知れない影響をもたらすだろう。
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