『空山』
阿来・著

  『空山』は、有名なチベット族の作家、阿来の最新長編小説。1994年に書かれた長編小説『塵埃落定』は、20世紀の初頭から半ばにかけての、あるチベット族の土司(元・明・清時代の少数民族の首長で、世襲の官職を与えられた者、または官職を授けてその地区の人民を支配させた制度)一家の盛衰物語で、濃厚な民族性や神秘的な雰囲気に満ち、評論家や読者から高く評価された。
 
  『空山』は3巻からなり、1950年代から90年代のあるチベット族の村に起こった6つの物語が書かれている。
 
  今回出版された第1巻には、『随風飄散』と『天火』が収録されている。『随風飄散』は、私生子の格拉と痴呆ぎみの母親が、周りの差別を受けながら苦しい生活を営む様子が、『天火』は、祈祷師の多吉が、森林火事の中で出会った思いがけない出来事が描かれている。
 
  2つのストーリは、ともに阿来のスタイルが一貫しており、普通の人の生活を冷静に細く描写することで、時代の変遷を反映している。  人民文学出版社 2005年5月 25元



『品読中国書系之一 品人録』

易中天・著

  作者の易中天は、廈門大学中国語学部の教授。2005年4月から、中央テレビ局の「百家講壇」で、「漢時代の風雲児」「三国を入念に読む」シリーズの講座を行い、視聴者から大きな反響を呼んだ。彼の中国伝統文化と歴史についての文集もよく売れている。
 
  本書は易中天の最新作で、文化の視点から項羽、曹操、則天武后、海瑞、雍正帝などの歴史人物を品評しており、独特な視点、生き生きとした文章は、読者を複雑な人物の心の世界に引き込むかのようだ。  上海文芸出版社 2006年1月 20元


『人民中国』おすすめのベストテン

1.『説出来就過時』 朱迅・著 遼寧教育出版社 
2.『黄花賦−共和前夜風雲録』     石之軒・著 中国文聯出版公司
3.『私宴』     蘇童・著 文匯出版社
4.『珠還記幸』     黄裳・著  生活・読書・新知三聯書店    
5.『笑場』    沈宏非・著  作家出版社
6.『八十年代訪談録』   査建英・著  生活・読書・新知三聯書店
7.『茶経新説』     南国嘉木・編著  中国市場出版社
8.『従禁忌到解放―
   20世紀西方性観念的演変』     
張紅・著   重慶出版社
9.『津津有味譚(食療巻)』   陳存仁・著 広西師範大学出版社   
10.『朝陽芸術与朝陽産業―
   音楽劇在中国的命運』  
居其宏・著 中央音楽学院出版社
 
 
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