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各種の学業援助政策は貧困学生の就学を支える) |
江蘇省北西部の農村に住む郭琳さんに、南京中医薬大学の合格通知が届いた。しかし家庭の経済状況が苦しい郭さんは、年間数千元という学費を知り、単純には喜ぶことができなかった。そんなとき、ある学業援助組織から5000元の援助金が送られてきた。
新中国の成立後、中国の高等教育はずっと無料だった。1989年からしだいに有料になったのだ。当初は年間200元だった学費も現在は数千元に上がった。このため、貧困大学生の問題は社会の大きな注目を集めるようになった。
教育部の統計によると、2005年8月の時点で、中国の大学・専門大学に在籍する学生1561万人余りのうち、貧困学生は405万人で、全体の26%を占める。こういった貧困学生のほとんどが、一カ月あたり150元(約2200円)以下で生活しており、1日3食の食費でさえままならない状態だ。
中国青少年発展基金会が7月に発表した『中国貧困生調査報告』によると、貧困学生の教育に関する年間平均支出(生活費を含む)は約6780元であり、家庭の平均年収4756元をはるかに上回る。よって、3分の2以上の家庭が赤字になっているという。
中国は1999年から、貧困学生が高等教育を順調に終えられるよう、「国家助学貸し付け」を実施。今年6月までに計240万5000人の学生に合わせて201億4000万元を貸与した。2000年には、各大学はまず貧困学生の入学手続きを済ませ、そのあと実際の状況に合わせて個別の援助措置を取るという制度を始めた。2005年には、中央政府が毎年10億元を投入する「国家助学奨学金」を設立し、毎年60万人近くの大学生を援助している。さらに今年は、教育発展基金会の設立、教育部による大学生援助業務のホットライン開通など、各方面から貧困学生の問題を解決している。
中国はすでに「国家助学貸し付け」を核として、奨学金、学生貸し付け、働いて学費を稼ぐ制度、特別な事情がある場合の学費の減免や補助など、多元的な学業援助システムを確立。これと同時に、大学や社会の各方面も、さまざまな方法で貧困学生を援助している。こういったこと全てが、貧困学生の「就学難」を改善し、さらには真の「教育の平等」を実現するために大きな影響を及ぼすだろう。
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