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上海書店出版社
2006年1月出版 30元 |
この本が研究しているのは、今まで誰も触れることのなかったテーマの、中国農民の個人の感情と家庭生活の移り変わりだ。
作者の閻雲翔は、1970年代に黒竜江省下岬村で7年農業をし、1989年ハーバード大学博士課程にあった時、再び下岬村に戻り調査を行った。その後12年にわたって7度も訪問し、日々豊かになっていく中国の農民の個人の生活と、道徳感を研究している。その主な内容は、農民の配偶者選びの変化、古い家屋での個人空間とプライバシー、大家族の民主化、老人の扶養と親孝行の欠落、妻の地位の向上など。
研究を通して作者は、一つの発見をしている。それは、伝統的な倫理の束縛からしだいに抜け出しているにもかかわらず、農民が本当の独立や自主的な個性を勝ち取っていないどころか、かえって自己中心的な傾向になっているという点だ。彼は今後研究を続け、このような現象について、より完全な解説ができることを望んでいる。
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