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「月落ち烏啼いて霜天に満つ 江楓漁火愁眠に対す 姑蘇城外の寒山寺 夜半の鐘声客船に到る」日本でも有名なこの唐詩で詠われている「姑蘇」とは蘇州のことだ。寒山寺の鐘声を聞き、「姑蘇」の様子をこの目で見ようと、何度も蘇州を訪れる日本人も多い。2500年の歴史を持つこの街は、古来より「地上の楽園」と称えられてきた。美しい風景と優秀な人材、そして勢いのある経済、中国国内外から注目を集める。
蘇州経済の注目点といえば、旧市街の西側に位置する蘇州国家ハイテク産業開発区(以下、蘇州ハイテクパークと略称)だろう。東は旧市街に隣接し、西は太湖に臨む、山と水に囲まれた国家級のハイテク工業団地で、計画面積は258平方キロだ。
蘇州ハイテクパークは十年余りにわたって巨額の資金を投入し、科学研究や企業発展の場となる多機能かつ効率的なテーマ別のパークを建設している。例えば、ハイテク創業サービスセンター、国際企業孵化器、帰国留学生創業園、環境保護産業園、国家ソフトウェア園、蘇州科学技術城などである。ここには博士、修士、帰国留学生、そして中国国内外の優秀な管理者が集まる。彼らが共同で「蘇州ハイテクパークの奇跡」を生み出したのだ。 蘇州ハイテクパークはまた、「親商、安商、富商」(投資家に親近感を、投資家に安心感を、投資家を豊かに)という理念を掲げ、パーク内の企業や科学技術者のすべてが、自らの才能を十分に発揮できるよう取り計らっている。建設以来、「多機能で国際的なハイテクパーク」と「現代的な園林式の新パーク」という二つの目標を同時に目指している。これこそ、質の高い生活環境と生態環境、そして山と水を有した新蘇州である。 期待される創業
蘇州ハイテクパークは近年、発展スピードを加速し、創造と創業のための優れた環境を作り出した。そして同パークの特徴を際立たせ、「科学技術型パーク」から「生態型パーク」への移行を実現した。その間、自動車部品と環境保護という二つの新興産業の育成に力を入れた。 自動車部品の生産基地は敷地面積300万平方メートル。ここは中国の重要な自動車部品生産基地になりつつある。米国、日本、韓国そして台湾、香港などの国や地域から合わせて百社余りの自動車部品メーカーが進出し、昨年の売り上げは百億元近くに達した。 一方、環境保護については、中国で真っ先にエコ工業や循環型経済の実験を実施。科学技術と生態をともに重要視し、経済発展と環境保護のウィンウィンを実現した。1999年には、国家環境保護総局から中国初の「 ISO14000国家モデルパーク」に認定され、2001年には、「国家環境保護ハイテク産業園」(以下、環境保護産業園と略称)の設立が認められた。また、04年には、「国家エコ工業モデルパーク」のテスト地になり、05年には、国務院から中国初の「循環型経済のテスト産業園」に指定された。 環境保護産業園の一期開発面積は25万平方メートル。環境保護工業園や環境保護生態園、環境保護科学技術園、環境保護産業の展示即売とコンサルティングセンターなどがある。環境保護技術の創造・刷新と実用化だけではなく、関連製品の取引センターでもあり、さらには、海外からの投資の窓口にもなっている。 すでに50社以上の環境保護関連企業と研究開発機構が進出し、水汚染と大気汚染の処理設備、固体廃棄物の処理設備など七つの分野を形成。その代表的な技術と製品は、中国の環境保護産業をリードし、世界先進レベルに達している。 日系企業の存在感
蘇州ハイテクパークの急速な発展に、日本の資金と技術が果たした役割は大きい。蘇州は中国において日系企業が最も集中している地の一つで、蘇州ハイテクパークだけでも300社を超える。常駐する日本人は4000人以上だ。 今年の9月下旬、蘇州ハイテクパークは「日系企業300社進出」を祝う式典を東京で催し、日本の企業と企業家から大きな注目を集めた。これと同時に、同パークの管理委員会は、日系企業と駐在者に良好な投資環境と生活環境を提供しようと力を尽くしている。太湖の湖畔に「日本工業村」を設け、この地に投資して工場を設立しようとやってきた日本の中小企業のために、サービスを提供する場と成長できる環境を作った。これにより、企業は事前の準備から登録、工場設立の調整、生産・販売まで、あらゆるサービスが受けられる。 パーク内には日本料理店や日本人学校、日本人診療所、日系企業の援助センターなどもある。祝祭日には、野外活動や文化・スポーツ活動なども行われる。今年の7月5日には、蘇州日商倶楽部が日本人駐在員やその家族のために「第一回蘇州夏季文化祭」――日本の伝統的な「夏祭り」を催し、参加者を楽しませた。蘇州ハイテクパークの「山と水がある」環境は、外からやってきた人々にも、故郷に帰ったような気持ちを抱かせるのだ。 |
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