★ メディアフォーカス
MEDIA FOCUS |
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2006年3月、27歳の陳浩と25歳の文麗于はインターネットで知り合った。インターネットを通じたコミュニケーションでお互いをとても気に入り、お互いの胸のうちを打ち明けた二人は4カ月後に結婚した。こうした「閃電(稲妻が走る)」のような結婚は「閃婚(スピード婚)」と呼ばれ、最近の中国の若者の間に少なからず見られるようになった。 敢えて言うならば、1950年代から90年代までの中国人の結婚は、親の取り決めによる結婚という伝統を打ち破る、政治的パートナーとしての結婚相手を探す、家庭の経済条件を重要視する、という3度の革命を経てきた。そして今世紀に入り、「閃婚」、晩婚、出産の高齢化が示すのは、第4次結婚革命の到来である。 2006年度の中国人婚姻情感状況調査報告によれば、調査対象者の66.57%は婚姻関係に個人の感覚を追求し、気が合えば一緒になり、好感を持てなくなったら別れてしまうという。このような現象は女性の社会的地位の向上、及び個性を強調する自由主義と中国の伝統的な家庭観念の衝突に起因する。蘭州大学社会学の梁一仁教授によれば、「閃婚」は結婚の安定性を揺るがしてはいるが、社会世論はこうした結婚を不真面目に見なしている人を厳しくとがめるようなこともないという。天津では、一人っ子の親の85%が、子供の将来の結婚の幸せに憂いを抱いている。これに対し、婚前学習の講座を設け、結婚が負うべき倫理道徳と家庭責任を若者たちに理解させるべきだと提案する専門家もいる。 |
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中国に、こんな言い方がある。「80年代なら広東を見ろ、90年代なら浦東を見ろ、21世紀初めなら山東を見ろ」。 2004年、これまで14年連続して中国第3の経済大省であった山東省が、全国第2位にランクアップした。2006年7月、山東省統計局の上半期の経済運営データによれば、山東省のGDP(国内総生産)は1兆206億4000万元、前年同期に比べて15.3%の増加を実現し、引き続き第2位のポジションを維持している。 農業、重工業大省として、山東は天然資源、インフラ建設、人材資源価格および工業コストなどの面において有利である。山東省社会科学院経済研究所の張衛国所長は、こうした優位と政府のコントロールを足がかりに、山東の経済は少なくともあと8〜10年はハイスピードで成長するであろうと考えている。 しかし、異なった見解を抱いている経済学者もいる。彼らの考えでは、山東は依然として国有企業が主体であり、民営経済と外向型経済は十分に活発であるとはいえず、経済パターンを政府主導から市場主導へ転換しなければ、山東の発展の歩みは緩やかになるはずだという。このほか、山東の民間財産も相対的に不十分であり、一人当たりの収入は全国で22位にすぎない。これに対し、山東省政府は教育、医療などの公共サービスに関わる投資を増やすことで民衆の支出を減らす一方、積極的に外資導入と民営企業の発展を奨励することによって、経済発展における偏りの是正をはかっている。 |
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北京の王さんが失くしたノートパソコンが戻ってきたのは、街頭の治安を守る監視カメラの功績である。盗まれたところを撮影していた画像が、警察の犯人検挙に役立ったのだ。上海の中学生魏さんは、教室でガールフレンドとキスしているところを学校の監視カメラに撮影され、それを公開されたため、学校の責任者を法廷に訴えた。 近年、中国の大都市は続々と監視カメラを設置しており、北京では現在のところ26万3000台に及んでいる。これらは社会治安を維持し、都市交通を整備するなどの面において重要な役割を果たしている。しかし、同時にこの監視カメラが誘発したさまざまなプライバシー侵害事件の数も上昇傾向にある。如何にして公共の安全と個人のプライバシーとの矛盾を処理するかということが、人々の注目の焦点となっている。多くの人は、公共の安全を考えれば、公共の場所に監視カメラを設置する必要があるのは確かだが、プライバシーに抵触する場所に関しては、はっきりと区別しなくてはならないと思っている。同時に、監視カメラを設置する部門は公安など法律執行機関でなくてはならず、また公衆に告知しなければ、社会の理解を得るのは難しいと考えている。これは中国人民公安大学の王大偉教授の言う「監視カメラは事件解決の役に立つが、無制限の設置は大衆の安心感を損なう」ということに他ならない。 2006年7月、北京市政府は、全市の重点地区をカバーする監視カメラネットワークの正式な運用を発表すると同時に、公民のプライバシーに抵触する場所には設置しないということを明確に示した。 |
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