米誌『フォーブス』が2006年10月に発表した「2006中国大陸商業都市ランキング」のトップ10に、長江デルタ地域の6都市(杭州、上海、無錫、寧波、蘇州、南京)が入った。
専門家によると、同地域の競争力が他都市の先頭を切っているのは、住民の収入が向上し、消費能力が高いことと、外からたくさんの人々が流れこみ、商業と不動産の繁栄に拍車をかけているため。このほか、豊かな観光資源も地域経済の発展を促しているという。
(『中華工商時報』)
電子航空券の時代到来
中国民用航空は2006年10月16日から紙の航空券の発行をやめ、中国は電子航空券の時代に入った。技術改造が済んでいない小さな空港では、まだ紙の航空券が使用されているが、その他は基本的に電子航空券が普及している。
電子航空券は必要なデータがシステム内に保管され、旅客は証明書によって空港で搭乗手続きを行うというしくみ。電話やインターネットでも購入可能だ。
これにより、航空券をなくして搭乗できないといった問題がなくなり、旅客にとって便がよくなるだけでなく、航空会社もコストを削減できる。中国全土で使用率が90%に達したら、年間10億元余りのコストが削減できる見込み。(『人民日報』)
「農村仲買人」が出現
農村部では近年、「農村仲買人」という新しい職種が出現した。彼らは農民であるが、農業と市場の両方の事情に通じ、市場の需要に応じて、農家に注文を出したり、農作物を直接買い付けたりする。こうすることで、農家が盲目的に農作物を生産するのを防ぎ、豊作にも関わらず収入が減少するという状況を回避している。
「農村仲買人」は現在、60万人余り。取引額は2000億元以上にのぼり、取引対象もすべての農産物と農業副産物におよぶという。また多くの省では、「農村仲買人」になる敷居を低くし、この職業に就きたいという農民に対して無料で相談や育成を行っている。(『経済日報』)
グローバル経済の不均衡 中国の金融安定に影響
中国人民銀行はこのほど発表した『2006年中国金融安定報告』のなかで、今後、グローバル経済の不均衡、石油価格の変動、中国経済の構造性の矛盾、金融業の競争激化、金融イノベーションの潜在リスクといった5つの要素が中国の金融安定を脅かすだろうと指摘した。
報告はまた、国有商業銀行の株式制改革を推進しつつ、国家の持株比率50%超を堅持するとしている。さらに、財産権構造を改善し、金融サービス分野での外資の出資比率、業務範囲、投資元の規制を適度に緩和するとした。(『新華毎日電訊』)
日本映画週間 北京で開催
「2006北京・日本映画週間」が2006年11月18日〜24日、北京で開催された。『スパイ・ゾルゲ』を携えて訪中した篠田正浩監督は、映画と時代の関係について中国の田壮壮監督と対談を行った。
開幕式で生野慈朗監督の最新作『手紙』が上映されたのをはじめ、映画週間の期間中には、『椿三十郎』(黒澤明監督)、『男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋』(山田洋次監督)、『春の雪』『幸福のスイッチ』『明日の記憶』など日本映画11作品が上映された。また、女優の薬師丸ひろ子さんや松坂慶子さんも訪中し、中国の映画関係者と交流した。
このような規模の大きい中日映画交流が行われたのは十数年ぶり。今回の映画週間は、在日中国人が設立した「株式会社ムーランプロモーション」が運営したもの。日本映画製作者連盟の強い支持を得て、中日の民間交流の発展ぶりを示した。
外資の不動産購入 中小都市に向かう
北京や上海で新築物件に対する『外資購入制限令』が公布されてから、海外投資家は大都市での不動産投資を中断する傾向にある。しかし中国の不動産市場の未来は引き続き明るいと見て、その目は中小都市に向かっている。
また、外資購入制限は中古物件にも適用されるかが明確でないため、大都市の高級中古物件を購入する米国や日本、中国の香港・台湾などの投資家が大幅に増えた。そこで北京市は関連政策を制定し、購入制限を中古物件にも広げる見通し。これも多くの外資を中小都市に向かわせる要因となっている。 (『中華工商時報』)
円明園の再建で争論
中国文物保護基金会と横店浙江華夏文化発展基金会はこのほど、円明園の保護専門基金を共同で設立した。国内外に向けて200億元を募集し、浙江省の横店鎮に原物と同じ大きさの円明園を再建する計画だ。同基金の設立は、円明園再建プロジェクトが正式にスタートしたことを象徴するものと見られるが、この計画に国内では争論が巻き起こっている。
反対者は、円明園は廃墟と化した歴史風貌のまま保存するのが最良だとし、再建する価値はあまりないと考えている。これに対して賛成者は、場所を移しての再建は、もとの風貌を壊すことはないし、衰微した旧跡と比較することもできるので、若者の教育によいとしている。(『人民日報』)
新しい中国語試験が登場
北京語言大学のHSKセンターが新しい中国語能力認定試験「C.TEST(実用中国語レベル認定試験)」を始めた。HSK(漢語水平考試)が中国語学習者の一般生活における中国語レベルを重要視しているのに比べ、C.TESTはビジネスや貿易の中で使われる中国語の熟達度を検定する。
同試験は初級(E〜F)と中・高級(A〜D)に分かれ、HSKに比べるとリスニング問題の割合が44%に増加。図表の応用問題なども加わった。また、試験問題は試験終了後に公表するので、受験生は持ち帰りができるようになった。
同試験は中日両国が協力して推進するもので、第1回試験は06年11月19日に中国と日本の数都市で開催。今後は世界的に普及していく見込みだ。 (『北京青年報』)
上海の大学 2校の学位取得が可能に
上海交通大学や華東師範大学など上海の14の大学に在籍する学生は2006年度から、他大学の専門課程を履修して、2大学の学士学位を同時に取得できるようになった。現在、14の大学の58の学科、1368の科目で他大学からの履修生を受け入れており、その数は2200人余りにのぼる。
第二専攻の履修には一般的に30単位が必要。4〜5学期かけて履修する。受講時間は週末の昼間や平日の夜が多い。中国の大学は基本的に4年間で卒業しなければならないが、第一専攻と第二専攻を同時に履修する場合は、最長2年間延長できる。 (『人民日報』)
サッカー甲級リーグ 学生チームが初参入
北京理工大学サッカーチームが2006年末、乙級リーグから甲級リーグに昇格した。学生チームで甲級リーグに参入したのはこれが初めて。中国のサッカーリーグはトップにスーパーリーグがあり、その下に甲級、乙級と続く。
理工大学サッカーチームの選手はすべて同校に在籍する学生や院生。練習時間は毎日2時間、その他の時間は他の学生と同様に勉強している。子どもの頃から体育学校やプロのクラブに所属し、サッカーだけをやってきた選手たちに比べ、総合的な素質を備えているため、将来の職業選択範囲も広い。中国のサッカー選手の育成に新しい考え方を提供したともいえる。(『中国青年報』)
「友達がいない」? マスコット国際表記変更
2008年五輪マスコット「福娃」の国際表記が、05年11月に発表された「Friendlies」から中国語のピンインの「Fuwa」に変更された。
「Friendlies」は「Friendly」の複数形で、「友好的な人」「選手間の友情」という意味が込められていたが、発音が「Friendless(友達がいない)」に似ているため誤解をまねくといった声が相次ぎ、最終的に「Fuwa」に変更された。
(『北京青年報』)
IOC、競技日程を確定
国際オリンピック委員会(IOC)は北京五輪の競技日程を正式に確定した。これまでの決定と違う点は、競泳と体操の男女団体および男女個人総合の決勝を北京時間の午前に開催すること。体操の個人種目別やシンクロ、飛び込み、水球の決勝はこれまでの決定と変わらず、北京時間の午後あるいは夜に開催する。
IOCは、一部決勝の時間を変更したことについて、テレビ局の要求や一部の人々の利益を満たすためではなく、考慮の末だと説明した。
また、各競技の入場券の80%は中国国内で販売することも分かった。一部は低価格で販売する。(新華社)
中日の科学者 宇宙線を共同研究
中国と日本の科学者はこのほど、大気層が地球と一緒に旋回しているように、太陽系付近の宇宙線は太陽系全体と一緒に銀河系の中心を旋回していることを共同で発見した。この現象を証拠をもって証明したのはこれが初めて。今後、銀河系の磁場構造の理解に役立つと見られる。
両国の科学者はチベット自治区の羊八井宇宙線観測所で9年間観測を続けた。その間、400億近くの観測結果を蓄積し、ついに結論を導き出した。関連論文は米誌『サイエンス』に掲載された。
(『新華毎日電訊』)
オイスカ、内蒙古に砂漠研究センター開設
内蒙古自治区で砂漠化防止プロジェクトを進めている日本の財団法人オイスカはこのほど、同区のアルシャ盟に砂漠生態研究研修センターを開設した。
アルシャ盟は黄砂発生地の一つで、砂漠化が絶えず進んでいる地域。そこでオイスカは住民参加型の緑化プロジェクトを2001年から実施。資金はオイスカと現地政府が共同で負担している。今回設立されたセンターは、このプロジェクトの研究と人材育成の拠点となり、日本外務省から無償の援助も受けている。
(『中華工商時報』)
「長城計画」友好使節団 北京を訪問
日本の民主党の小沢一郎代表を名誉団長、衆議院の牧義夫議員を団長とした第14回「長城計画」友好使節団が2006年10月、中華全国青年連合会の招きを受け北京を訪問した。
民主党の青年議員と社会各界の代表で組織された同使節団は、中国国家環境保護総局を訪問し、中国の環境保護の現状と中日の関連交流の状況を理解した。このほか、北京オリンピックスタジアムや中日友好病院、郊外の農村なども訪ねた。
1989年に始まった「長城計画」は、中日の青年交流の重要なルートであり、これまでに、日本の国会議員150人以上と各界の代表数千人がこの交流活動に参加している。(『中国青年報』)
万里の長城、測量開始
国家測絵局と国家文物局が共同で行う万里の長城の測量が2006年10月末、スタートした。1期の調査と測量の対象は主に明代の長城。長さや分布状況、走向など精密な地理データを調べる。08年に終了する見通し。
長城の調査については、1980年代から各級の文物部門が文物の全面調査を行う中で、何度か実施したことがあるが、技術不足や地理的環境により、明確でない部分も多かった。
今回は初めてGPSやRS(リモートセンシング)などを用いて厳密に測量し、文物記録書類や情報資源データバンクを作る予定。今後の長城の保護や研究、利用に役立てる。(『人民日報』)
劇団仙台小劇場 魯迅の創作劇を上演
日本のNPO法人、劇団仙台小劇場が06年10月、魯迅の生誕125周年と仙台留学100周年を記念して、創作劇『遠い火〜仙台における魯迅』を北京、上海、紹興で上演した。同劇が中国で公演されたのは今回が初めて。
『遠い火』は2幕10場で構成され、1936年と1945年の藤野先生の診療所の場面がそれぞれ序幕と終幕になっている。仙台で医学を学んでいた魯迅が、「医学を捨てて文学の道に進む」一部始終と藤野先生との間の真摯な友情が描かれている。
仙台市の梅原克彦市長は舞台挨拶のなかで、「魯迅先生が仙台に留学してから100年経ちますが、私たちは今でも、魯迅先生の業績と藤野先生との間の友情に深い感銘を受けています。それは、仙台と中国の人々の友好交流において重要な役割を果たしています」と語った。(『北京青年報』)
中日大学生ネットで対話
中国国際放送局(北京放送)の主催による「中日大学生ネット交流会」が2006年10月、北京と東京で同時に開催された。
中国側は北京大学や北京外国語大学、外交学院など、日本側は早稲田大学、明治学院大学、中央大学など、それぞれ5大学の学生が参加。音声チャットや写真と文章の中継などを通し、日本語を使って2時間にわたる深い交流が繰り広げられた。話題は大学生活を中心に、外国語の学習、若者の社会責任、相手国の文化に対する考え、中日関係をいかに改善するかなどに及んだ。
この交流会は中国国際放送局の日本語放送開始65周年を記念して開催されたもの。両国の若者は今後も、同局の日本語フォーラムを通して、それぞれ興味のある話題について交流を続けることができる。 (新華ネット)
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