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生徒たちと一緒に。後列中央が王馨左さん |
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23歳の王馨左さんは、北京迅捷舞踏学校のモダンダンスの教師だ。教室では、十分に成熟したベテランの表現力を見せてくれる彼女だが、教室の外では少女のような素顔をさらけ出す。何を尋ねてもケラケラと笑ってばかりで、なかなか話が進まないのには、困ってしまった。
湖南省で生まれた王馨左さんは、幼い頃から母が作ってくれた色とりどりのスカートをはいて、大人たちの前でオリジナルのダンスを披露していた。小学校を卒業したその年、湖北芸術学校に入学。そこで中国のフォークダンスを学び、6年後には北京舞踏学院に入学し、モダンダンスを専攻した。誰かに、ダンサーになりたいのかと問われても、彼女の答えはいつも決まっている。「考えたこともないわ。ただ踊るのが好きなだけ」
2005年、アメリカの親戚の元を訪れた折に、現地で約4カ月、ストリートダンスを学んだ。専門のダンススクールに通って勉強するのではなく、ただ道端でみんなと一緒に音楽にあわせて踊る。興味のある人が飛び込みで一緒になって踊り、互いのダンスを磨きあうのだ。
あるとき、近所でストリートダンスを踊っている人を見つけた馨左さんは、音楽に魅かれ、知らず知らずのうちにリズムに合わせて体を揺らしていた。現地の人は彼女に「ショー」を見せてくれるよう頼んだ。当時はストリートダンスは得意とはいえなかったので、即興でフォークダンス風ストリートダンスを踊るしかなかった。奇妙な動きだったが、思いがけず、とても斬新で個性的だと言われ、みんなに受け入れられた。
このとき以来、彼女はこうした自由なダンスに夢中になった。現在、舞踏学校で教えているのもストリートダンスだ。若者たちにもストリートダンスを通じて、自分の個性を出して欲しい、というのが彼女の願いだ。(文・高原 写真・楊振生)
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