北京オリンピックが近づくにつれ、再びスポーツが人々の関心の焦点となっている。この数年、中国のスポーツ選手は国際試合の場で輝かしい成績を上げつつある。さらに喜ばしいことに、現在、「社区(コミュニティー)」におけるスポーツが全国各地で急速に高まり、より多くの市民がスポーツの魅力を楽しめるようになってきた。
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「回超」リーグの試合 |
「回超」とは、「北京回竜観社区住民足球超級聯賽(北京回竜観コミュニティー住民によるサッカー・スーパーリーグ)」の略だ。「中国足球超級聯賽(中国サッカー・スーパーリーグ)」を「中超」、また「英格蘭足球超級聯賽(イギリス・サッカー・スーパーリーグ)」を「英超」と略すように、回竜観に住むサッカーファンたちは「回超」という新語を生み出した。
住民が自発的に主催する「回超」は、全国で最も早く出現したコミュニティー・サッカー・リーグである。回竜観は北京近郊の大型新興住宅団地で、若者や働き盛りの世代が多い。余暇の生活を豊かなものにしたいと考えた彼らは、インターネットでメンバーを募集し、サッカーチームを立ち上げた。次第にチームの数も増え、「回超」が誕生した。
2007年、もはや4回目となった「回超」に、二十一チームが参加。試合は週末ごとに一回行われ、リーグは5カ月にわたる。選手の職業は公務員、サラリーマン、そして自由業などさまざまである。ときには太りぎみの中年選手が、ドリブルをしながら相手のディフェンスを突き破る姿なども見られる。若い時ほど反射神経が良くないからといって、リーグの人気にマイナスの影響を及ぼすことを心配する必要もない。回竜観のサッカーファンにとって、彼らの「回超」はプロリーグよりずっと魅力的だ。
「回超」に続き、天通苑コミュニティーや通州区にも、「天超」「通超」などが次々に出現。また、深セン、上海、武漢などでは、サッカーリーグだけでなく、バスケットリーグやピンポンリーグも盛り上がりを見せている。
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「回超」のすべてのチームに、それぞれ個性的なチームマークがある。写真は第2回「回超」のリーグ対戦表 |
スポーツイベントの大衆化に伴い、関連テレビ番組も相次いで登場した。中でも、北京テレビ局の「争覇王中王」は見ごたえのある番組の一つだ。毎週異なるコミュニティーで「擂台(競技会場)」を設け、特定の競技種目を決め、大勢の人に参加してもらうという企画で、挑戦者の中で一番スコアのいい人が、「擂主(チャンピオン)」に封じられ、翌週、他のコミュニティーからの挑戦者と競う。
この番組は大きな反響を呼んだ。「三九」、つまり真冬の最も寒い時期でも多くの人が集まり、先を争って試合に参加し、選手たちを応援した。これほどまでに人気が高まった最大の原因は、競技種目が、走り高跳び、腕立て伏せ、鉄棒の懸垂、砂袋を背負って同じコースを何度も折返し走るといった大衆向けのものであるためだ。また参加者資格の制限はなく、誰でも参加することが可能。小学生とお爺さんが、同じフィールドで勝負するシーンもよく見られる。
同様のイベントに「中国大衆体育記録社区挑戦賽」という催しもある。全国各地を巡回して開催されるこの競技会は、ヘディングやボールリフティング、輪回し、縄跳び、グループでの羽根蹴りなど、さらに広範囲にわたる民間競技種目が含まれる。このような競技会のおかげで、人々とスポーツの距離はぐっと近くなり、普通の人でも試合に参加して腕を振るうことができるようになった。
かつて中高年の人々が体を鍛えたいと思ったら、公園で散歩するか、近くのグランドでジョギングをするくらいだった。しかし今は、屋外ジムにいくという選択肢も加わった。
屋外ジムとは、コミュニティー内や街角にある100平方メートル程度の空き地に、約十種類のトレーニング器具が設置された場所である。子供たちの遊び道具でもあるブランコ、ジャングルジムや若者向けの鉄棒、平行棒、ジョギングマシン、年寄り向けの空中ウォーキングマシン、腰の筋肉を鍛える器具、肩や関節などの健康を促進する器具などがあり、これらはすべて福祉、スポーツ宝くじセンターから贈られたもの。コミュニティーごとに住民の年齢層を考慮して選んだ器具を、政府が無料で設置している。高齢者が多いコミュニティーであれば、あまり激しくなくゆったりと運動できる器具が設置される。
この屋外ジムは、どこでも大人気だ。とりわけ夕食のあとには、三々五々このジムに集まってきて、世間話をしながら体を鍛える人々で、非常ににぎわっている。
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