▽今年の春、玉淵潭の桜と香山の梅がとても美しく咲き誇りました。そこで、その様子をカメラに収めました。
温家宝総理の「氷を融かす旅」はこのようなうららかな春のなかで成功し、この後、中日関係は着実に好転しました。いま思うと、満開の桜と梅は、中日関係が現在のように発展することを象徴していたのかもしれません。
今月号の特集は国交正常化35周年を記念して特別に企画したものです。「中国と日本のこれから」をめぐって、中日関係の「日常化」から始まり、4人の識者から今後の両国関係について優れた分析をいただき、最後に青年交流のともし火が次の世代に受け継がれていることを紹介。特集の表紙に、春に撮った桜と梅の写真を使うことになるとは思いもしませんでした。改めて、識者の方々のご協力に感謝の意を表します。
▽もう一人、北京日本学研究センターの秦剛さんにも感謝します。秦剛さんは長年、芥川龍之介の研究に力を尽くしてこられました。「放談ざっくばらん」に寄稿いただいた文章は、中国の学者による芥川研究の最新の成果です。今年は芥川没後80年にもあたります。20世紀初頭、日本がモダニズムの成果を初めて享受したとき、懐疑の眼差しで日本とアジアを注視していた芥川。彼の死は、激動の時代の訪れを告げる不吉な予感となりました。グローバル化の波が世界を席巻している今日、逝者を追憶することは「温故知新」の意味があるのではないでしょうか。(総編集長 王衆一) |