中国は日本に、安い日用品を大量に輸出しているが、単純なものばかりではなく、IT技術を使ったフラッシュメモリーが中国で発明されたことをご存知だろうか。
USBフラッシュメモリーが発明されるまでは、データの保存には3.5インチのフロッピーディスクが使われていた。しかし、容量が小さいうえに壊れやすい。 USBフラッシュメモリーの発明者で、深セン朗科公司の創業者のケ国順さんも、この問題にいつも悩まされていた。出張するときに持って行ったフロッピーが不注意から壊れてファイルが読めなくなることがしばしばあった。
普通の人はフロッピーが壊れないように心を砕くが、ケさんはそうしなかった。仲間2人と深セン市羅湖区に二間の家を借り、そこで世界初のUSBフラッシュメモリーを研究・開発してしまったのだ。そして十数カ国で特許を申請した。今、大多数の家庭用パソコンからは、フロッピードライバーがなくなり、USBフラッシュメモリーが完全にとって代わった。
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3月20日、東京の京浜急行品川駅で、「上海ウィーク」と「上海万博」の写真展の開幕式が挙行された |
また、私たちが現在見ている映画用DVDは、東芝や松下など6社が核心技術の特許権を享有する特許製品であることはよく知られている。しかし、それより先に、テレビで映画を放映するときに使うディスクのDVDを開発したのは中国であることをご存知だろうか。
DVDが出現する6年前、中国安徽テレビ技術研究所の姜万モウ所長は米国で開かれた展覧会の会場の片隅で、ある小さな会社が、画像を圧縮する技術を実演しているのを見かけた。興味をそそられた姜所長は、これを利用することで、映画を一枚のCDディスクに圧縮することができると思いついたのである。ビデオやLDに比べて、CDディスクのコストは極めて低く、大いに儲かる可能性があった。
そこで、長年、研究・開発を続け、1993年にVCDプレーヤーがついに中国で誕生した。そしてたちまち全国に広がり、ビデオを淘汰した。姜所長が自ら開発した製品をテレビの展覧会で展示したとき、会場は大きな反響で沸いた。多くの日本の製造業者たちはそれを見て非常にいぶかしく思い、トリックかどうかを確かめるために、展示台の回りをぐるぐる歩き回り、スイッチを入れては切り、切っては入れた。
新時代のハイテク、とくにIT産業の発展は、中国に新たなチャンスをもたらした。それは中国が単なる廉価な製品を作る「世界の工場」であるだけでなく、さらに多くの新しい技術や発明を作り出す能力も備えていることを証明している。 (高原 林崇珍=文)
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