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中国人民外交学会は、1949年12月に周恩来総理の指導の下に設立された。民間外交を研究・従事する中国唯一の遺構である。長く、周総理が名誉会長をつとめた。現在の楊文昌会長は外交官出身。 |
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国交正常化から35年、中日関係はようやく友好強化の軌道に再び乗り、前進を始めた。しかし、その前途は手放しで楽観できるものではない。何に注意して、どういう姿勢で、何を目標に進むべきなのか。中日関係に深くかかわっている三人の識者に語ってもらった。
この半世紀、北東アジアの安全にかかわる情勢は一貫して複雑であり、新旧の矛盾が交錯し、不安定要素が非常に多い。一面では、冷戦時代に形成された脆弱な平和の局面が維持されてきたが、もう一面では第二次世界大戦以後に発生したこの地域の大小の戦争と衝突が残した傷跡と後遺症が、まだ完全には治癒していない。この地域に存在している各種の隠れた危険は、短期間にうまく解決するのは難しい。とくに昨年発生した朝鮮半島の核危機問題以来、北東アジアはすでに、中東地域に次いで難しい問題の最も多い地域になった。
この地域に存在する、安全にかかわる隠れた主要な危険は――
@朝鮮半島の核危機は、今年初めになって真っ暗なトンネルに光明が差して来たにもかかわらず、米朝間の政治的相互信頼が非常に脆弱であり、交渉に実質的な進展があるかどうかは、現在、肯定的な判断を下すのは依然として時期尚早である。
A米国と日本の二大経済強国は、絶えず安保同盟を強化しており、北東アジアのその他の国々の安全に対して圧力となっている。自分の安全の追求が他人に不安を感じさせるこうした振る舞いは、この地域の恒久平和を形成するうえで不利である。
B朝鮮半島の南北の軍事的対峙の情勢は緩和されたとはいえ、双方が威嚇しあい、抑制しあう軍事演習が依然、頻繁に行なわれている。朝鮮半島の脆弱な平和の中に緊張要因はなお存在し、南北の統一の前途は依然、見通しが立たない。
C国家の領土や海洋権益をめぐる争いはひっきりなしに発生しており、措置をあやまれば、新たな危機の導火線になり得る。
このほか、陳水扁を頭とする「台湾独立」勢力は「台湾独立」の理念を放棄せず、絶えずゴタゴタを引き起こし、台湾海峡やこの地域の平和に重大な脅威をつくりだしている。 (中国人民外交学会会長 楊文昌)
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