メディアの役目は重い


 中国人は中国のメディアを見、日本人は日本のメディアを見る。普通の人は相手の文字を読めないし、ほとんどの人は相手の国に行かれないから、メディアに頼って相手の国を理解するほかはない。だからメディアの報道が全面的であるか、そうでないかは重大な問題なのである。

 メディアがニュースをいかに選択するかには、それぞれ立場がある。日本のメディアは、日本の利益のためという立場に立つのは当然だが、日本のためにも中日友好を推進する必要があるという立場から報道すべきだと思う。もし、中日間の問題を誇張して報道すれば、日本の読者が正確に中国の日本に対する態度を理解することができなくなる。

 中国のメディアも当然、積極的な面を報道すべきだ。とくに日本の民間は、中国に対し好感を抱く人は少なくなっているとはいえ、まだ多くの人は中国に対し友好的だ。

 中国の新聞はこの数年、いくらか進歩した。例えば、中国で炭鉱事故がどうしてこんなに多いのか。それが起こるたびに報道している。以前は、インターネットがなかったので、炭鉱事故が起こっても、記者たちは知らなかったので報道できなかった。現在は、炭鉱事故が起こると、炭鉱を経営する企業主が報道してほしくなくとも、それを報道しなければならないと中央政府が規定を定めている。これは進歩ではないか。  (全国政治協商会議外事委員会副主任 趙啓正)


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