「第2JRP日本語日本文化世界会議in北京」開催
ジャーナリスト・池上彰氏と声優・古谷徹氏

  「第2回JRP日本語・日本文化世界会議in北京」の一環として「平和――民族の壁を越えて」をテーマとする北京日本語会議が16日午後、北京大学で開催された。これは特定非営利活動法人ジャパン・リターン・プログラム(JRP)と北京大学日本言語文化学部の共催によるものである。

  メキシコ、ウズベキスタン、コロンビア、トルコ、韓国、中国及び日本などの国から選ばれた9人のパネリストが日本語で討論を行うのが、大きな特色である。会議には在中国日本大使館の道上尚史公使、JRPの大橋洋治会長も出席した。日本のジャーナリスト・池上彰氏がコーディネーターを、声優・古谷徹氏がゲストコメンテーターを担当した。

  パネルディスカッションでは、まず、諸国のパネリストが日本語を学ぶ理由を紹介し、「小野小町の短歌が好きだから」(ウズベキスタン)「日本経済の発達とパソコンに興味があるから」(トルコ)「経済が発展すると同時に伝統的文化を守っているから」(コロンビア)「父がよく『北国の春』を歌ったことや、字幕を見ないで日本のアニメが分かるようになる達成感を得るため」(中国)「日本語の通訳をしているお母さんが勧めたから」(韓国)などの理由が挙げられた。

  そして、パネリストが自国で行った日本映像作品、日本料理、日本の文学作品に関する調査の結果を発表した。調査対象の人数は限られているが、その結果は興味深いものである。

左からそれぞれ中国、日本、メキシコの代表

  日本映像作品で好きなものとして挙げられたものは、ほとんどがアニメである。トルコ、ウズベキスタン、コロンビア、メキシコ、中国での1位はそれぞれ『キャンディ・キャンディ』『セーラームーン』『ドラゴンボールZ』『エヴァンゲリオン』『ラブレター』だった。ほかに、『聖闘士星矢』『隣のトトロ』『デスノート』なども挙げられた。

  日本料理については、いずれの国でも「寿司」が1位だった。「てんぶら」「たこやき」もいくつかの国で人気があり、ラーメン、お好み焼き、刺身も挙げられた。

  日本の文学作品について、韓国では、村上春樹の作品、『冷静と情熱のあいだ』『世界の中心で、愛をさけぶ』がトップ3で、日本で流行ったものが韓国でも受けていることが分かった。村上春樹と川端康成の作品は各国で上位に入り、ほかに、『奥の細道』『源氏物語』、夏目漱石、三島由紀夫も挙げられた。

  「日本は好き?」という調査では、メキシコ、ウズベキスタン、コロンビア、トルコでは「好き」を選んだほうが圧倒的に多かったが、韓国では、「好き」と「どちらでもない」がそれぞれほぼ半分を占めていた。中国の場合、「好き」が58%だが、「嫌い」を選ぶのが35%。中国のパネリストの王文博さんによると、「嫌い」の理由は、「歴史問題」や「日本や日本文化にあまり触れていないから」である。

  また、日本のアニメが各国で受けていることと関連して、中日アニメの違いも討論され、現場の観客たちは積極的に自分の意見を述べた。中国のアニメには教育的な内容が多く、子供向けの感じがあるが、それに対して、日本のアニメは青春の悩みや変身願望を描くのが多いため、共感するという意見も出た。

  それから、どうやって民族の壁を越えるかについて、パネリストたちが自分の経験に照らし合わせて積極的にディスカッションを行った。中日の歴史問題も討論の焦点となったが、中日及びほかの国の代表は「人と人とのコミュニケーションを強めるべきだ」ということを提案し、「誠意をもって付き合う」「相手の立場に立って考える」ことを主張した。

  声優古谷徹氏は、「各国の代表の方がしっかりした考えを持っていて、感動しました。それぞれ民族は違うけど、相手を知る、理解することが大事です。自分で調べ、自分なりに考え、さらに一歩を踏み込んで、距離を縮めるべきだと思います」と語った。

  最後に、特別演目として各国のパネリストと学生たちによる北海道YOSAKOIソーラン祭りが披露された。

 
「チャイナネット」2007年10月17日
 
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