ポンフェイ先生の旅アドバイスD
シルクロードに朝日が輝く

中国の代表的な仏教石窟「莫高窟」

 Q 一度、「敦煌」で有名なシルクロードに行きたいが、どの季節に行くのがよいか。

 A 子ども連れ(小学校の高学年以上)の体験旅行には、とてもいいコースだとお勧めする。ゴビ砂漠で見られる蜃気楼や竜巻、壁画、ミイラなど、日本では見ることができないものばかりだ。子ども連れの場合は、夏休みを利用するほかない。ただし、ちょっと暑い。そのかわりに太陽に輝くゴビ砂漠はとても奇麗だ。八月中旬〜下旬になると、少し涼しくなる。時間に縛られない方々は、9月の上旬を勧めたい。だいぶ涼しくなる。

 Q 壁画を見学するときの注意点は?

 A 敦煌の「莫高窟」の壁画を見学するとき、専門の日本語ガイドがつく。非常にわかりやすく説明してくれるので、評判がいい。ただし、壁画見学は一般洞窟と特別洞窟に分かれており、普通のツアーは特別洞窟の拝観料が含まれていない。一見する価値があるものが多いので、ご確認ください。

 特に57号、217号の洞窟は見逃すことができない。グループでいく場合、壁画を見学する前に、敦煌研究所の研究員によるミニ講座を受けてはどうか。壁画にまつわる話を事前に学習しておけば、見学するとき、さらに興味が湧いてくる。これは旅行社を通して事前に連絡しておくと、簡単にできる。

 Q 敦煌で、ほかの楽しみ方はなにか?

 A 日の出を見るのが楽しい。10年前に地元の観光関係者に提言したが、昨年行ったとき、ちゃんと観光コースに入っていて、格別うれしかった。

 鳴沙山の月牙泉でラクダに乗ってから、徒歩で5分ほどちょっとした山に登る。人はほとんどいない。黄山(安徽省)の日の出見学は観光客でごった返していたが、ここは視線を妨げるものは一切ないし、ゆっくり楽々と見られて、最高だ!

 もう一つは、ブドウ園でのブドウの食べ放題。とにかくおいしい。生のブドウは持ち帰ることができないが、干しブドウは持ち帰ってもよく、いいお土産になる。

シルクロードをラクダとともに

 時間的余裕があれば、ぜひとも「雅丹」を見学ください。敦煌のもう一つの話題のスポットである。敦煌市内から180キロ、バスで2時間半から3時間ほど離れたところにある。ゴビ砂漠の「石林」(雲南省)と言うべきだろうか。その景色には圧倒される。「国家地質公園」にも指定されている。

 時間的に無理な場合は、写真集「雅丹奇観」(高徳祥・著)を求めるとよい。見学した気分になるだろう。

 写真集が入手できない場合は、高徳祥さん本人(電話・敦煌0937―8833376)を呼んで話を聞いたり、ビデオや写真を鑑賞したりしても、楽しいだろう。

 敦煌研究所の研究員によるミニ講座や「雅丹」見学、高徳祥さんとの面会などの問い合わせは、姫海東さん(敦煌太陽国際旅行社、電話・敦煌0937―8841285)、李瑞瑞さん(敦煌中国国際旅行社、電話・敦煌0937―8822492)へどうぞ。(2003年5月号より)


 彭飛(ポンフェイ) 中国上海生まれ。上海復旦大学卒業。1993年、大阪市立大学文学部で文学博士号を取得。現在、京都外国語大学助教授。旅関係の本に『中国旅行ハンドブック』(DHC)、『海南島をゆく』(PHP)、ほかに『大阪ことばと外国人 例文中国語・英語訳つき』(中央公論新社)など、著書多数。