ポンフェイ先生の旅アドバイスE
3万9000円のツアーは大丈夫?

 Q 3万9000円ツアー、5万円ツアーという広告を見るが、考えてみれば、航空券だけでもこれぐらいの料金ではないかと思う。このようなツアーは大丈夫なのか。

 A 安いツアーにはそれなりの理由がある。旅行社が航空会社との契約で、年間ある程度のチケットを購入すれば、シーズンオフのとき、安く提供できる場合がある。また、出発一週間前に売れ残っている航空券も安い。ただし、要注意なのは赤字の分を中国の旅行社に負担させる契約を結んでいる旅行社もあること。この場合、現地のガイドは土産物屋ばかり案内したりする。買い物をする意志がなくても店を回らなければならないと覚悟していただきたい。

子ども写真館でユニークな写真を撮ろう

 ほかには食事やホテルなどのランクが低くなることもある。食事がまずければ、一食ぐらいツアーから抜け出して、ほかのレストランで、自分で食事するのがよい。千円から二千円程度で、おいしくいただけ、旅の楽しみも倍増する。メニューが読めない場合は、一人がいくらの予算であるか、店の人にお願いしてもよい。料理はおまかせで、どんな料理が出されるのかわくわくする。

 中国のレストランは人数が多い場合、通常、ワンテーブルの料理すべてでいくらかと頼むことが多い。ホテルもそうである。ツインの部屋も一人当たりの料金よりも一部屋を単位とする計算がほとんどである。ホテルの部屋を予約するとき、気をつけてください。

 Q 昨年10月1日、中国旅行をしたが、観光客が多く、どこに行っても人でいっぱいだった。なかなか、ゆっくりと観光できなく、残念だった。どんな日を避けたほうがよいか。

 A 10月1日は中国の国慶節で国内観光客の観光シーズンである。ここ数年、中国の経済発展とともに、中国国内の観光客がずいぶん増えた。ゆっくりと観光したければ、中国の祭日を避けたほうがよい。たとえば、旧正月の2日目からの一週間は観光シーズン、また、5月1日(メーデー)からの一週間、10月1日(国慶節)からの一週間、この三つの連休がピークである。西暦の正月休みは元旦1日だけで、元旦前後の3日間は旅行をする人は多いがピークではない。冬なので観光する地域は限られている。

 Q 幼い子どもを一緒に旅行に連れていきたいが、どこが観光に一番よいか。

 A まず動物園のパンダ館だ。日本ほど混まないことが何よりだ。パンダと記念写真を撮影するコーナーを設けている動物園は多い。ただし、中国の動物園はいずれも広く、パンダ館までたどり着くのに苦労するかもしれない。広州の「夜間動物園」(ナイトサファリ)もおすすめ。子ども列車に乗って両サイドのいろいろな動物を見るのも楽しみ。また水上ショーや動物ショーなども見逃せない。上海なら「水族館」か、子どもの写真館「白雲照相館」(曹陽路340号、電話・上海021―62442516)がおすすめ。写真館では中国旅行の記念に、中国風の写真を撮影しよう。1万円程度で、すてきなアルバムができる。私の息子と娘も一歳前後のとき、記念写真を撮影した。とてもいい記念になった。

 上海から北西へ列車で2時間ほどのところに常州市がある。そこには世界最大規模の恐竜テーマパークがある。50体ほどの恐竜の実物大骨格標本が展示されており、小中学生には絶対喜ばれる。(2003年6月号より)


 彭飛(ポンフェイ) 中国上海生まれ。上海復旦大学卒業。1993年、大阪市立大学文学部で文学博士号を取得。現在、京都外国語大学助教授。旅関係の本に『中国旅行ハンドブック』(DHC)、『海南島をゆく』(PHP)、ほかに『大阪ことばと外国人 例文中国語・英語訳つき』(中央公論新社)など、著書多数。