WHO調査団、広東省での視察を終了


 
世界保健機関(WHO)の調査団は8日、重症急性呼吸器症候群(SARS)に関する広東省での視察を終了し、北京へ出発した。調査団は、SARS患者を収容している主な病院や、広東省疾病予防控制センターなどで6日間の視察を行っていた。調査団の出発に先立って、広東省の雷于藍副省長は調査団と意見を交換した。

 調査団は今後の予定について「国際社会に向けて広東省のSARS治療・感染防止体勢や、広東省の各地方政府や衛生関係者と率直かつ開かれた討論を行ったこと、SARSの病状、治療での成功例、不十分な点などを説明する」との考えを示した。広東省の対応については「医療機関の間での協力、専門家のSARSに対する迅速な対応は称賛に値する」と高く評価。また、SARS関連の研究について「医療関係者が蓄積した豊富な経験は重要だ。広東省の専門家には、研究成果をなるべく早く国際的な医学関連出版物に発表して欲しい」と述べ、SARSに関する経験や研究成果が全世界で共有できるよう希望を示した。

 意見交換後、調査団関係者は広州で記者会見を開き、広東省での視察の成果を説明した。調査団は、広東省の協力に満足していると伝えたうえで、「今回の視察で、広東省がSARS流行という突発的事態にどのように対処したかを詳しく知ることができた」と述べ、積極的に対応策を打ち出した広東省の対応を高く評価した。

 また、SARSの原因解明についての質問に対して、調査団は「広東省の専門家を含め、世界各地の研究者が解明に努めている」としたうえで、「結果がいつ出るかについては分からない」と答えた。

(「人民網日本語版」より)2003年4月9日