蘇る北京の「宅門文化」

 清朝末期から民国にかけ、北京の有名な薬屋の老舗「同仁堂」を描いた長編テレビドラマ『大宅門』は、好評を博した。

 大宅門とは、古い北京の、経済文化階層の比較的高い家柄を指す。ドラマ『大宅門』の中の白家は、もともと宮廷に納める薬を作っていたが、朝廷の闘争に関係したため、時代の変遷の中で浮き沈みを繰り返し、喜びも悲しみも味わった。この劇には、生粋の北京の訛や味わいがあり、昔の北京の風俗や深い中国医学の知識も含まれている。多くの登場人物の性格や経験は複雑かつ多様で、味わうほどに味が出てくる作品だ。

 劇中の男の主人公、白景gのモデルは、この劇の脚本兼監督である郭宝昌の養父で、このことが物語に、実体験に根ざした迫真感を添えている。

 斯琴高娃、陳宝国、劉佩gら今日の中国銀幕で活躍する多くの実力派のスターが出演している。張芸謀、陳凱歌ら素人も出演して精彩を放ち、劇をさらにおもしろくしている。

 『大宅門』をもとにして書かれた同名の小説は、すでに出版された。

 おそらくこの劇によって、北京独特の「宅門文化」は、再び新たに注目されることになろう。