中国初のチベット旅行発展15年総合計画策定

 

中国は15年間の『チベット自治区旅行発展総合計画』を初めて策定し、現在すでに最終審議段階に入っている。

このほど、チベット自治区の洛桑江村副主席は、「今回の計画はチベット自治区の実情と飛躍的発展目標に立脚し、2005年から2020年までのチベット旅行産業の発展のために総合的手配を行うものである。計画範囲はラサ、シガツェ、山南(ロカ)、アリ、ナクチュ、林芝(ニンチ)、昌都などの6地区で、総面積は120余万平方qに及ぶ」と語った。

計画によれば、チベット旅行業の飛躍的発展の総目標は、海外からの観光者を先導とし、国内旅行者を主、自治区内の旅行者を従として、特色ある資源を目玉にし、多様な旅行商品を発展させて、中国と南アジア地区の越境旅行の接点とし、青海・チベット高原の生態とチベット民族の文化体験を一体化させた世界で最も名高い高原観光地を建設することである。

計画では、2010年までに旅行業をチベット自治区国民経済のリーダー産業に育て上げ、外国観光客延べ28万人、国内観光客延べ220万人、全自治区内総生産の約10%に相当する観光総収入40億元を見込んでいる。2020年には、旅行業をチベット自治区GDPの主力産業とし、外国観光客延べ112万人、国内観光客延べ905万人、全自治区GDPの約18%に相当する観光総収入228億元を見込んでいる。

氏は、「旅行業の発展は経済的発展をもたらすと同時に、チベットの都市化、インフラ施設の整備を促進し、旅行ネットワークを形成することになる。優れた伝統文化を全面的に保護、継承、発展させ、自然資源および生態環境も効果的に保存、回復、維持されることになり、同時に各民族が観光の発展とサービスに積極的に参与するので、生活レベルの向上が促進されるであろう」と期待している。

チベット自治区は独特の高原地貌、生態環境、気候環境を具有している。数多くの歴史的文化遺跡、宗教文化建築、絵画彫塑、祭日式典から服飾、飲食、民俗などがチベット自治区の豊かな人文観光資源を構成している。高山、氷雪の大景観はチベット独特の観光資源であり、チベットには元来「地球第三の極」、「世界の屋根」、「銀雪の高原」の呼称がある。チベット民俗文化と高原の自然生態が渾然一体となって、人と自然のハーモニーを醸し出し、チベットを象徴する観光資源の主体となっているのである。

近年、チベット旅行業は無から有を生み出して不断に発展し、一定規模を有する特色ある経済の支柱産業となっている。昨年のチベットが受け入れた内外観光客は延べ122万人、観光総収入は15億元に上り、全自治区GDPの7%を実現している。旅行業は3万人近い農牧民を旅行接待サービスに参与させており、6000余万元増加した収入は、一人当たり収入を2328元増加させている。

                         「チャイナネット」2005/03/18