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憲法改正案草案――私有財産保護の規定改善


 第10期全国人民代表大会(全人大)第2回会議の第3回全体会議が8日午後、人民大会堂で開かれ、全人大常務委員会の王兆国副委員長は、全人大常務委員会より委託され中華人民共和国憲法の改正案草案について説明した。

 私有財産保護の規定の整備に関する王副委員長の説明は次の通り。

 中国共産党第16期全国代表大会の「個人財産保護の法律制度の改善」に関する精神に基づき、憲法改正案(草案)では、憲法第13条の「国家は公民の合法的な収入、貯蓄、住宅その他の合法的財産の所有権を保護する」「国は法律に基づき公民の私有財産継承権を保護する」を、「公民の合法的私有財産は侵害されない」「国は法律の規定に基づき公民の私有財産権およびその継承権を保護する」「国は公共の利益の必要に応じ、法律の規定によって公民の私有財産を徴収・徴用することができる。合わせて補償を行うものとする」に改める。こうした改正、次の3つの配慮に基づくものだ。

 (1)公民全体の合法的私有財産のすべてに対して国が保護を与え、保護の範囲には生活手段としての資産のほか、生産手段としての資産も含むことをさらに明確にする。

 (2)現行の条文の「所有権」を「財産権」に替え、「権利」に含まれる意味をさらに正確かつ全面的にする。

 (3)現行法のいくつかは、異なる状況での徴収・徴用についてそれぞれ規定しているが、私有財産の徴収・徴用関する規定を憲法に盛り込むことは、私有財産保護と公共の利益との関係を正確に処理するうえで役立つ。多くの国の憲法に、同様の規定がある。

                         「人民網日本語版」 2004年3月9日