ごく最近の中国社会科学院経済研究所収入分配課題グループの調査によると、我が国の都市と農村の収入格差は世界一大きいことが明らかにされた。この問題は多くのメディアが実施した両会の関心の的となっている調査の中でも、大衆が最も注目しているホットな話題のひとつである。主として財税法研究に従事し、民主党派の中国民主同盟中央法制委員会主任で、中国財税法学研究会副会長を担当する黄景鈞氏は、チャイナネットの取材時に「税制方面の改革をできるだけ早く行い、収入格差を縮小すべきである」と提言した。
黄景鈞委員は税制改革について以下の個人的意見を述べた。
第一に農業税を廃止する。農業税は我が国税収比率の中に占める比率が極めて低く、2003年度を例に挙げると、我が国税収総収入額は2兆元を超えているが、農業税は290億元でしかない。したがって、農業税廃止の財政収入に対する影響は小さい。現在、ベトナム、北朝鮮などが農業税を徴収している以外には、大多数の国に農業税は無く、米国のような大国は農業税がないどころか、逆に農業生産に対して相応な手当てを支給している。黄景鈞委員は「農業税は地方税に属するので、西部地区などの農業税が当該地地方財政収入の主要な財源となっている省は、農民の税負担が非常に大きく、農民の負担軽減に迫られている」と述べている。
第二に個人所得税の課税起点を引上げである。黄景鈞委員は「現在、我が国が規定している個人所得税課税起点は800元である。一部都市では既に1000−1200元に引上げられているとはいえ、依然としてその起点が引くい。個人所得税課税起点を引き上げることにより低収入納税負担を軽減すると同時に、10万元以上45%の所得税税率の引き上げ考慮して、収入格差を調整すべきである」と述べている。
そのほか内外資企業所得税の統一、遺産税徴収の速やかな実施により、内資企業と中低収入階層の納税負担を軽減すべきだとしている。
「チャイナネット」より 2004年3月10日
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