北京で開かれている全人代・全国人民代表大会は8日から、憲法改正草案に対する審議を始めました。改正の多くの内容は公民の合法的な私有財産とその他の権益の保護をより明確にしています。
中国の現行の憲法は1982年に制定されたもので、その中に公民の私有財産を保護する規定が含まれています。今回の改正ではそれに関連する規定を更に明確にし、「公民の合法的私有財産は侵されない」と規定し、「財産権」という言い方で、現行憲法の中の「所有権」という言い方から替えました。これらの改正について全人代常務委員会の王兆国副委員長は憲法の改正草案について説明した時「経済の発展と人民の生活の向上に伴って、公民の私有財産がそれぞれある程度増えました。特に多くの公民は個人の生産手段をますます擁するようになり、人々の法律による自己財産保護の要求が切実になっています。この改正は国家が公民全体の合法的私有財産を保護することを明確にしており、保護の範囲には生活必需品、生産手段が含まれます」と述べました。
こうした改正について長期的に憲法の研究に携わっている中国清華大学法学院の王振民教授は「公民の合法的私有財産の保護を憲法に書き入れた事は今回の改正で最も重要なことです。この改正は国家政権の基盤を拡大するだけではなく、経済の全面的な発展を促すうえ、平等を維持します。つまり、所有の財産は合法的なものであれば、私有それとも、国有であっても平等なものです。これは憲法の基本精神に符合しています」と語りました。
この改正は国家経済の発展を促すことにプラスとなります。これについて、王振民教授は「これは、非公有制企業の投資拡大を促し、国家経済の発展を促進していくでしょう。現行の憲法に個人の生産手段の保護を明確に規定していないため、一部の私営企業家企業が大きく発展した後に、国有化や、公有化されることを心配して、生産の再拡大を安心してできないのです。改正した後は、彼らの不安は無くなるでしょう」と話しました。
段永基全国政治協商会議委員は私営企業家で、中華全国工商連合会の副会長も務めています。段永基氏は「憲法の改正は中国市場経済体制の建設における一里塚です」として更に「市場経済の基本的な特徴と言えば、社会の全員が創業に努めるようにすることです。創業は個人の努力が必要ですが、その創造した成果は法律の保護が必要です。今回の憲法改正は社会主義市場経済体制が次第に完全なものになっていくことを示しているが、より多くの人が創業の道を歩むことを励ましていくことでしょう」と述べました。
中国人民大学法学院の胡錦光教授は「社会の発展に伴い、広範な民衆の権利、自由、平等の意識が更に強くなり、この改正は公民の意思の表れと言えます」と見ています。
「CRI」より 2004/03/10
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