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北京の紀宝成代表、法定祭日の検討を議案として提起


 清明節と端午節、仲秋節この3つの伝統的祭日を春節(旧正月)や五一(メーデー)、十一(国慶節)、元旦と同様に国の法定祭日に指定すれば、中華民族の伝統的文化を伝承・発揚し、生活の質的向上を実現するうえでプラスとなる――全国人民代表大会(全人代)北京代表団の紀宝成代表は祭日の設定について独自の見解を示した。紀代表は清明節と端午節、仲秋節を法定祭日に指定するよう提言する議案を作成した。

 ■伝統的祭日は特別な文化的意義を内包する

 紀代表は、現在の法定祭日のほかに幾つかの伝統的な祭日を法定祭日に加えるべきだと提起した。「中国伝統の祭日は形式が多彩で、内容も豊富であり、中華文明の重要な一部となっている。これらは今日まで風俗として伝えられており、特別な文化的意義を内包しており、千百年にわたって中華文明を伝承・伝播するという重要な役割を発揮してきた。世界各地にいる中国系市民も中国伝統の祭日を非常に重視している。香港特別行政区では、春節と清明節、端午節、中秋節、重陽節を『5大伝統祭日』として法定祭日に規定している。澳門特別行政区も同様である」。

 ■法定祭日で伝統的文化を反映するのは春節のみ

 紀代表は「中国は今、現代化に目を向けた、世界に目を向けた、未来に目を向けた民族の、科学的な、大衆の社会主義文化を発展させる必要があり、それには先ず、中華民族の伝統的文化を重要視し、伝統の祭日を重視するとともにそれが内包する意義を掘り起こす必要がある。それが民族の文化を継承し、民族の特色を保持するうえでもつ意義は大きい。だが現在、我々の法定祭日のなかで中華民族の伝統的文化の特色を反映しているのは春節のみであり、その他の伝統的祭日は法定祭日には規定されておらず、法定休日にもなっていない」と強調した。
その上で紀代表は「重視されていないが故に、一部の伝統的祭日は徐々に姿を消しつつある。しかも生活レベルが向上し休暇が増加するに伴い、春節だけではすでに人々の要求を満たすには程遠い。多くの若者はクリスマスや復活祭など、西側の祭日を過ごすようになっており、自国の伝統的祭日への理解や興味がむしろ失われつつあることは深慮せざるを得ない」と指摘した。

 ■大晦日を休日とする意義は大きい

 紀代表は「他国と比較してわが国では法定休日が少ない。現在は10日間しかなく、春節の法定休日にさらに大晦日を1日加えるよう提案したい。春節は重要かつ盛大な伝統的な祭日であり、中国の新年の始まりでもあり、旧き年に別れを告げて新しき年を迎え入れ、一家団欒を楽しみ、家族の関係をともに享受するという意味をもっている。大晦日の団欒と夕食は春節を代表する最も重要な風習であり、家を離れていても毎年、人々が何とかして大晦日までに家に戻ろうとするのは、そのためである。年々激しくなる輸送ラッシュも人々が春節を大切にしていることの表れであり、家庭に対する意識や中華民族の凝集力を培ううえで重要な役割を果たしている。大晦日を休日とする意義は大きい」と強調。

 紀代表は「清明節と端午節、中秋節を法定祭日に加え、それぞれ1日休日とする」と提案するとともに、「清明節は先祖の墓参りの日であり、祖先に哀悼の意を表すことで後世の人々を励まし、愛国主義的色彩が濃い。仲秋節は春節に次ぐ伝統的な祭日で、仲秋の名月は『家族の円満』を寓意している。いずれも内容、形式からも中華民族のすばらしい伝統が表現されている」と提案理由を説明した。

                 「チャイナネット」 2004年3月14日