ニュース 提案・議案 文 献 代表と委員 資 料

鍾南山氏 「今年、SARSは流行しないだろう」


 中国工程院アカデミー会員で全国政協委員の鍾南山氏は、今年の「両会」における注目の的となった。新型肺炎SARSの今年の状況について聞かれ、「今年はSARSが流行しないと信じている」と明らかにした。

 鍾氏によると、中国で初のSARS感染者は、2002年12月に確認された。広州でSARS流行のピークを迎えたが、その後、感染者が徐々に減り、2003年3月中旬には明らかに減少した。しかし昨年12月20日、広州にまた1人の感染者が出た。その後1カ月のうち、4人の感染者が続々と確認されたが、政府が積極的な対策をとってからは、それ以上の感染者が出ていない。

 また、昨年のケースから見れば、発生後2週間がたっても大規模な流行がなければ、今年は再発生しないと確定できる。それはまず、昨年1年間にSARSの防止と治療の知識が広く普及したためだ。次に、人々がSARSの感染源を認識し、その上で動物から人への感染ルートを断ち切ったからだ。さらに今年の感染ケ−スの特徴は、病状が比較的軽く、感染力もそれほど強くないこと。それが、SARSの防止と治療に有利となった、という。

 鍾南山氏はさらに、感染者の発生と疫病の流行は、2つの異なる概念だと説明した。1〜2の病例が出ることは、それほど恐ろしくない。疫病が大規模に発生したときこそ、「疫病の流行」と言える。伝染病は1度に消えるわけではないが、数人の病例ではSARSの流行が再発生したとは言えない、という。(本誌・張春侠)

                  人民中国インターネット版  2004/3/8