「わが国では水資源が不足しているため、海水を淡水化する産業を速やかに発展させていく必要がある」。全国政治協商会議(政協)の王武竜委員は会議でこう発言した。さらに王委員は「水資源の欠乏はすでに一部の地区で経済発展を制約する重大な要因となっている」とも指摘。
現在、水資源の総量は2兆8000億立方メートルと、世界6位にあるが、1人平均にすると2200立方メートルにすぎず、世界平均の4分の1で同109位。しかも地域によってばらつきがあり、大連や天津、青島、連雲港、上海など東部沿海部の工業都市では1人平均500立方メートルにも満たない。
王委員は「海水の淡水化は水資源不足を解消する重要な手段だ」と強調するとともに、淡水化事業の発展を制約している要因として、関連機関に淡水化事業で沿海部都市の水不足問題が解決できるという認識、それがもたらす社会・経済的効果に対する認識が不足している◇統一的な計画やマクロ的な指導に欠けており、具体的な関連政策の完備が待たれている◇淡水化技術研究成果の応用に資金が十分投入されておらず、一定規模を擁するプロジェクトも少なく、重要な資材の製造や重要設備でも国産化レベルはまだ低い◇淡水化の基準や規範システムが確立されておらず、カギを握る技術でも知的財産権を有していないと指摘。
その上で、海水の淡水化産業加速に向け王委員は(1)淡水化事業の優位性と戦略的意義について大規模キャンペーンを展開し、社会の関心度を高める(2)関係機関は水資源の総合開発利用機構を設置し、事業を全国的に発展させる計画を作成して指導する(3)政府は海水資源の開発利用への資金投入を拡大し、民間からも資本を導入する(4)水道料金の規制を段階的に緩和または淡水化された水使用に対して補助金を給付するなど、淡水の供給・設備製造関連企業に対して優遇政策を実施する(5)早急に数万トンから十万トンクラスの淡水化プロジェクトに着手する(6)国外から先進的な技術を実情に合わせて導入し、刷新能力を向上させる――の6点を提起した。
「チャイナネット」 2004年3月6日
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