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温家宝総理の政府活動報告 西部開発と東北の振興


 国務院の温家宝総理は5日、第10期全国人民代表大会(全人代)第2回会議で発表した政府活動報告の中で、「地域間のバランスの取れた発展の促進は、中国の現代化における重要な戦略だ。西部大開発や東北地方など旧工業基地の再興、中部地方の発展、東部地方の発展加速を堅持し、東部・中部・西部の相互促進や相互補完、共通の発展という新しい局面を形作る必要がある」と指摘した。

 温総理は、各地域のバランス取れた発展について、さらに次のように述べた。

 西部大開発の戦略を引き続き実施し、経験を真剣に総括し、政策の充実を図り、積極的かつ段階を追って進めていく必要がある。

 (1)一旦開墾した耕地を森林を復元する「退耕還林」、放牧の停止による草地の回復を図る「退耕還草」や、砂嵐の発生源での防砂対策や砂漠化対策など、生態系保護の重要プロジェクトを着実に実行する。

 (2)インフラの整備を強化し、全局に関わる重要なプロジェクトに力を入れ、経済発展への持続力を絶えず増強し、農牧民の生産・生活条件の改善に向けた小型の建設事業を適切に進める。

 (3)義務教育や公衆衛生、基層における文化面の整備事業に重点を置き、社会事業の発展を促す。

 (4)特色のある産業を積極的に発展させ、重点地域の開発を推進する。

 東北地域などの旧工業基地振興の戦略を真剣に実施、順調なスタートとする必要がある。中央のさまざまな政策措置を着実に実施し、体制の革新に重点を置き、対内・対外の開放を拡大しなければならない。経済構造の調整と技術面の進歩を加速し、重点業種・重点企業の構造調整や再編に力を入れ、資源生産都市としての経済モデルの転換や、炭田での採鉱による地盤沈下地域の対策事業を適切に進める。自力での発展、困難の中での事業推進を堅持し、幹部や民衆の向上心・創造力を十分に発揮させる。

 中部地域の発展の加速は、バランスの取れた地域の発展を促す重要な一環となる。国は中部地域において、地理的・経済的な強みの発揮をサポートし、改革開放と発展のテンポを早める必要がある。現代型の農業と重要な商品作物基地の整備を強化し、インフラ整備を強化し、競争力のある製造業やハイテク産業を発展させ、工業化・都市化を推進していく必要がある。

 東部地域の発展加速は、財政面や物資面、科学技術面での国力の増強に寄与するものであり、中・西部地域の発展により良いサポートを提供する。引き続き優位性を発揮し、産業構造の改善を早め、輸出志向型経済の更なる発展を図り、条件の整った地方から先駆けて現代化を実現していく必要がある。東部・中部・西部はさまざまな形の連携を強化し、バランスの取れた発展の中で段階的に共に豊かになっていかなければならない。

                「人民網日本語版」 2004年3月6日