|
||||
王憲章委員「慈善事業の大々的な発展を」
|
||||
第10期全国政治協商会議第3回会議に出席した生命保険国内最大手の中国人寿保険公司のトップ、王憲章委員は3度、具体的数字を列挙して慈善事業の大々的な発展を呼びかけた。 王委員は「現在、わが国には6000万人を超える障害者と3000万の貧困人口を抱えている。さらに様々な災害で被災した人の数も膨大だ。社会が彼らに資金や物資、医療面からの援助、関連するサービスを提供することが今、急務となっている。慈善事業を積極的に発展させ、市民が社会の弱者を支援する活動を指導していくことが必要だ」と強調した。 王委員は「中国共産党第16期第4回全体会議は、社会保険と社会支援、社会福祉、慈善事業をリンクさせた社会保障システムの健全化をはっきりと打ち出したことで、慈善事業の発展が社会保障システムの重要な一部であることが初めて明確化された。これは慈善活動の積極的な展開が、社会主義の調和の取れた社会を構築するための重要な活動になったことを示すものだ」と語った。 だが、現在の慈善事業の状況について、王委員は別の数字を示した。 「慈善公益組織は2002年現在で約100団体を数え、寄付された物資や現金は50億元に達したが、国内総生産(GDP)の僅か0.05%に過ぎない。一方、米国では1996年時点で非課税慈善組織は12万団体にのぼる。寄付金や物資は1507億ドルにも達しており、GDPの2%に相当する」と説明。 さらに王委員は「国内の慈善団体が社会資源を動員する能力に劣り、発展が遅れている現状は、団体に存在する運営の非透明性など様々な管理上の問題と無縁ではない。だが根本的には、法律や法規、関連する措置が不足していることによるものだ。わが国にはまだ専門の、慈善(公益)組織を対象にした実質的な内容を備える法律や法規は無く、具体的な運用細則も欠けている」と指摘した。 「軽視できないのは、海外では慈善教育は必修科目であり、これによって慈善に対する意識や価値観が確立されていることだ。だが、国内の市民や企業では慈善に対する理念に欠け、慈善活動参与への積極性も不足している」。さらに王委員は「中華慈善総会の統計によれば、受理した義捐物資のうち、80%近くは海外からのもので、国内は20%に過ぎない」と、また別の数字を列挙。 その上で王委員は「慈善事業を発展させるに当たり、焦眉の急となっているのは先ず、専門性のある社会慈善機構法の制定を急ぎ、機構の性格や使命、管理、運営の基本準則、監督メカニズムを明確にする。次に、直接登録または届出制による参入制度を講じて、より多くの慈善公益団体を育成する。さらに公益財産管理制度、慈善機構の分類・類別監督管理制度、評価制度、情報公開制度を健全化する。また完備された統一的な慈善関連税制を確立して、慈善事業に対する税制上の優遇を実施する」よう提言した。 「チャイナネット」2005年3月10日
|