子供に良い生活環境を提供するため、より多くの出稼ぎ労働者は都市部での就業を選んだわけだが、家庭教育の欠如のせいで農村部の「かぎっ子」の問題がますます顕在化している。全国政治協商会議常務委員、黒竜江省政治協商会議副主席の梁栄欣氏は「出稼ぎ労働者が農村部に残している子供たちの面倒を、どのように見るかという問題の解決は差し迫った課題である」という懸念を明らかにした。
関係筋によると、年小で自制能力が弱く、両親に面倒を見てもらえないなどのさまざまな原因で、当面、農村部のかぎっ子たちはモラル水準の低下、勉強の成績の低下、心理的アンバランス、安全問題などの懸念を直面している。
梁栄欣氏によると、これらの問題の主因は都市部と農村部の二元化にある。つまり、出稼ぎ労働者は都市部での高価な学費を負担できないし、諸地域間の教材の違いは、農村部で「かぎっ子」が出現する直接の原因となっている。そのほか、経済収入と子供の教育の比較でバランスがとれず、両親の教育能力と子供の教育の需要の間にギャップが生じ、農村部の学校のカリキュラム設置は児童の心身の発達にもふさわしいものではないなどさまざまな要因がある。
これについて、梁栄欣氏は表面と本質の問題をともに解決するための対策を提起するとともに、アドバイスもおこなっている。例えば、戸籍制度の改革を加速し、都市部と農村部のギャップを一歩一歩解消し、農村部における余剰労働力の秩序立った形で都市部へ移動させることであり、「これは農村部におけるかぎっ子の問題を解決する根本的な道である」と梁栄欣氏は語っている。
また、梁栄欣氏は今のうちに結実させなければならないいくつかの任務を明らかにした。(1)農村部における寄宿制学校の整備を強化し、家庭教育の不足をカバーし、農村部コミュニティーにおける児童、少年への教育と後見のメカニズムを構築すること。(2)農村部の学校に児童の心身の発達に関する課程を設置すること。(3)農村部の家庭に対する社会からの手助けを強化すること。
「チャイナネット」 2006年3月7日
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