数年前には知る人のまれだった「日照権」も、今や流行語の1つとなった。第10期全国人民代表大会(全人代)第5回会議に8日上程された物権法草案は、隣接する建築物の通風・採光・日照に対し、明確な規定を定めている。
物権法草案は▽建築物の建設においては、国の関連建設基準に違反して、隣接する建築物の通風・採光・日照を妨げてはならない▽不動産の権利者は国の規定に違反し、大気や水の汚染物質を排出し、個体廃棄物を放置し、騒音・光・電磁波などの有害物を出してはならない――と明確に定めている。
近年、一部の都市では▽住宅ビルの新規建設計画の審査に手抜かりがあり、建築物の階数や間隔が国の建設計画基準と沿わず、隣接する建築物の採光を妨げる▽一部の開発業者が、実際の施工結果が認可された建設計画と異なる工事や、建設計画の範囲を超えるなど規則違反の施工を行い、新築住宅ビルの階数が高くなりすぎ、隣接する建築物の採光に影響を与 える▽一部の人が居住の利便性をさらに得るため、勝手な増改築を行い、隣接する建築物の採光に影響を与える――などの現象が見られる。
物権法草案は▽隣接する不動産の権利者は、生産の有益性・生活の便宜・団結互助・公平合理の原則に照らし、近隣関係を正しく処理しなければならない▽不動産の権利者は、水の使用・排水・通行・パイプ設置などの理由で隣接する不動産を利用する場合、当該権利者への損害をできる限り避けなければならない。損害を及ぼした場合、賠償しなければならない――と指摘している。
「人民網日本語版」2007年3月9日
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