温家宝総理の政府活動報告(二)
 

二、二〇〇七年度の活動の全般的計画

今年は今期政府の任期の最終年に当たり、われわれは意気軒昂として、必ず職責を全うし、額に汗しながら進取し、怠ることなく、全力を挙げて諸般の活動に取り組み、人民に納得の行く回答を出さなければならない。

政府活動の基本的な構想と任務は次のようなものである。ケ小平理論と「三つの代表」の重要思想を指針とし、科学的発展観を全面的に実行に移し、社会主義調和社会を早急に構築するとともに、中国共産党の第十六回全国代表大会以来の諸般の方針政策を真剣に貫徹し、マクロコントロールを強化、改善し、経済構造の調整と成長パターンの転換や、資源節約と環境保護の強化、改革開放と自主的創造革新の推進、社会発展の促進と民生問題の解決に力点を置き、社会主義の経済建設、政治建設、文化建設および社会建設を全面的に推進し、党の第十七回全国代表大会の開催のために良好な環境と条件を造り出さなければならない。

さまざまな要因を総合的に勘案して、今年度の国民経済と社会発展の主要な目標を次のように定める。構造の最適化やパフォーマンスの向上、消費低減、環境保護を図った上で、GDPの成長率を八%前後とする。都市部就業者の新規増加数は少なくとも九〇〇万人とし、都市部の登録失業率を四・六%以内に抑える。物価の総水準を基本的に安定させ、消費者物価総水準の伸び幅を三%以内に抑制する。国際収支のアンバランスの状況をいくらか改善する、ということである。

ここで重点的に説明しなければならないのは、次の点である。つまり、社会主義市場経済の条件下で、政府が打ち出したGDP成長率の目標は所期性、指導性をもつ指標であり、財政予算や雇用、物価などマクロ経済指標を設定するための重要なよりどころとなる。国内外の経済環境や市場変動などの影響を受け、最終的に達成されたGDP成長率と所期目標の間にはある程度開きが出る可能性がある。今年度のGDP成長率を八%前後と設定したのは、要請や可能性など多くの要因を総合的に考慮した結果であるが、さらにより重要な点として、各方面が科学的発展観を真剣に定着させ、活動の重点を構造の最適化や、パフォーマンスの向上、省エネ・原材料消費と汚染物質排出の削減に置き、一方的に経済成長率を追求したり盲目的に競い合ったりすることを避け、経済の良質かつ急速な発展を実現するよう導かなければならないからである。

本年度の経済社会発展の目標と任務を達成するには、次のような政策と原則をしっかり踏まえなければならない。一、諸政策の安定化、充実化、徹底化を図ること。安定化とは、マクロ経済政策の継続性と安定性を保ち、引き続き穏健な財政政策と通貨政策を実施することである。充実化とは、経済運営過程における新しい情況に応じて速やかに政策・措置を充実させ、際立った矛盾や問題に的を絞ってその解決を図ることである。徹底化とは、中央の諸般の政策・措置を真剣に実施し、執行の度合いをより大きくして、諸般の政策決定と計画が真に具現化されるのを確保することである。二、マクロコントロールを強化、改善すること。重点として、固定資産投資と融資規模を抑制し、構造の最適化の中で経済総量のバランスを促進する。引き続き確保もすれば規制もすることを堅持し、画一的なやり方を取らないようにする。多くの場合、経済のレバレッジや法的手段の運用により経済行動を誘導し、規範化させるべきである。中央と地方の関係を正しく処理し、双方の積極性を十分に発揮させる。三、経済成長の質とパフォーマンスを大いに高めること。省エネ・省資源や環境保護、土地の集約利用をさらに重点に位置付け、製品の品質向上を重視し、経済の競争力と持続可能な発展能力を増強させる。四、社会の発展と民生の改善をより一層重視すること。人間本位の主旨を堅持し、社会諸事業の急速な発展を促し、人民大衆が最も関心をもち、彼らに最も直結した、最も現実的な利益にかかわる問題を積極的に解決し、社会の公平と正義を守り、すべての人が改革・発展の成果を共に享受しうるようにしなければならない。五、改革開放を原動力として諸般の活動を推し進めること。社会主義市場経済改革の方向付けを堅持し、経済社会発展の要請に応えて、経済体制や政治体制、文化体制、社会体制の改革を推進し、科学的発展観の定着化および調和社会づくりにつながる体制的保障を早急に構築する。全面的に対外開放のレベルを高めなければならない。

「人民網日本語版」2007年3月16日


 

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