温家宝総理の政府活動報告(六)
 

六、政府そのものの改革と建設を強化する

新しい情勢下における政府活動を立派に行うためには、政府そのものの改革と建設を絶えず強化しなければならない。この数年間、われわれは科学的で民主的な政策決定を実行し、適法行政を推進し、行政への監督を強化することを三つの基本的準則とし、この面で一連の措置を取ってきた。政府としての職責の全面的履行を重んじ、社会管理と公共サービスの強化に取り組み、突発性公共事件への対応管理体制やメカニズムを確立し、健全化し、行政審査・許認可制度の改革を推し進め、適法行政の全面的推進実施要綱を制定、貫徹し、監察、会計検査の仕事を強化し、腐敗反対・廉潔提唱の度合を大きくした。これにより政府そのものの改革と建設は重要な一歩を踏み出した。

政府そのものの改革と建設を強化するには、人間本位と人民のための執政を堅持し、最も広範な人民の根本的利益を立派に実現し、擁護し、発展させることを出発点もしくは立脚点としなければならない。あくまで国情を踏まえて、党の指導、人民の主人公としての位置づけと法律に基づいて国を治めることの有機的統一を実現しなければならない。社会主義市場経済体制を絶えず充実させることを堅持し、経済社会の全面的でバランスのとれた、持続可能な発展を促進しなければならない。政府管理の制度と方式の創造革新を堅持し、政府活動の透明度と人民大衆の参与度を高めなければならない。われわれの目標は、行為が規範化し、公正かつ透明で、政務に励み、効率も高く、清廉潔白な政府づくり、人民大衆の意に適った政府づくりをめざすことである。

当面および今後の一時期において、政府機能の転換を核心とし、行政権力を規範化させ、政府の組織構造と職責分業を調整、最適化し、政府の管理とサービス方式の改善をはかり、政務公開の推進に力を入れ、電子政務化と政府ウェブサイトの整備を速め、公務員陣の資質を向上させ、行政の効率を全面的に引き上げ、政府の執行力と政府への信頼感を高めてゆかなければならない。今年は力を集中して次の三つの仕事に着実に取り組まなければならない。一、マクロコントロール体制を完全なものにする。政府と企業との分離を堅持し、行政審査・許認可制度の改革を突っ込んで推し進め、審査・許認可事項を少なくし、事務処理の効率化を図る。二、社会管理と公共サービスを強化し、基本的公共サービス能力を増強し、人民大衆が強い不満を抱く問題の解決に力を入れる。三、法に則って行政行為を規範化する。廉潔政治の整備と反腐敗闘争を深く繰り広げ、啓発、制度、監督をともに重んじた腐敗の懲罰・防止システムを充実させる。

政府部門の作風づくりを大いに強化する。現在、一部の行政機関に見られる目に余る派手好み(贅沢三昧)や浪費といった問題を解決することが重要な課題となっている。現在、多くの地方や部門、政府機関では見えをはったり、贅沢さを競い合ったり、奢侈追求の風潮がはびこり、大衆はこれに対してかなり強い不満を抱いている。こういったゆゆしき風潮は、断固として食い止めなければならない。行政機関のオフィス・ビルの新築または増築を厳しく抑制し、デラックスなビル・公会堂・ホテル・ゲストハウスの建設を厳禁し、公務接待行為を確実に規範化させ、管理上の抜け穴をふさぎ、行政コストを引き下げ、節約型政府づくりに向けて努力しなければならない。

代表のみなさん!

強固な国防を打ち立て、強大な人民の軍隊を建設することは、社会主義現代化建設に向けた戦略的任務である。毛沢東の軍事思想、ケ小平の新しい時期における軍隊建設思想、江沢民の国防・軍隊建設思想を導きとし、胡錦濤同志の軍隊建設と関連のある一連の重要な論述を真剣に貫き、科学的発展観を全面的に実行に移し、新しい世紀の新段階における軍隊の歴史的使命を効果的に全うすることに目を向け、思想・政治の建設を首位に置くことを堅持し、積極的に中国の特色のある軍事変革を推し進め、軍隊の高度の安定と集中・統一を確保し、国の安全・統一の擁護と現代化建設のために強力な保障を提供しなければならない。軍事訓練においては機械化から情報化への転換を積極的に推し進め、情報化の条件下における軍隊の防衛戦闘力を絶えず高めてゆく。国防分野の科学技術研究および武器装備の整備を強化する。後方支援の整備と改革を推し進める。法律に基づいて軍隊を治め、厳格に軍隊を治めることを堅持し、軍隊の正規化のレベルを引き上げる。人民武装警察部隊の全面的な建設を強化し、その執務や突発事件への対処、反テロ闘争および安定の擁護という任務を立派に遂行する。国防教育を深く繰り広げ、国防動員体制を充実させる。軍隊擁護・軍人遺族・家族優遇、政府擁護・人民愛護の仕事の展開に確実に力を入れ、軍隊と政府、軍隊と人民の団結を強固にし、発展させる。

代表の皆さん!

われわれは引き続き「一国二制度」、「香港人による香港統治」、「澳門(マカオ)人による澳門統治」、高度の自治という方針を揺るぐことなく貫徹し、香港特別行政区基本法と澳門特別行政区基本法に厳格に則って事を運び、二つの特別行政区の行政長官と政府が法に基づいて施政を行い、経済を発展させ、民生を改善し、調和を促進することを全力をあげてバックアップする。大陸部と香港、澳門との経済貿易や科学教育、文化、医療医療衛生、スポーツなどの諸分野における交流と提携を強化する。われわれは香港、澳門各界の人々とともに、両地の長期にわたる繁栄・安定の維持と発展をめざして努力奮闘しようではないか。

われわれはあくまで「平和的統一、一国二制度」の基本方針を堅持し、新たな情勢下での台湾海峡両岸の関係の発展、祖国の平和的統一の促進に向けた諸政策を堅持する。広範な台湾同胞と団結し、「台湾の法理上の独立」などいかなる形の分裂活動に断固反対する。両岸関係の平和発展というメーンテーマをしっかりととらえ、積極的に両岸間の交流と協力を拡大し、両岸間の直接「三通(通信、通航、通商)」を促し、最大限の誠意を示し、最大限の努力を払って両岸同胞の平和、発展、福祉を追求してゆく。われわれは引き続き一つの中国という原則を踏まえて、両岸関係の発展を主張する台湾の諸党派との対話と交流を強化し、両岸間の対話と交渉の早期回復を勝ち取り、両岸関係の平和と安定に向けた発展を推進するよう努める。台湾同胞を含めたすべての中華民族の子孫が力を合わせ、ともに努力することにより、中国の完全な統一は必ず実現されうるものとわれわれは確信している!

代表のみなさん!

ここ一年、われわれは国際と国内という二つの大局を統一的に配慮、把握した上で、積極的に調和世界の構築を提唱し、対外関係の全面的発展を推し進め、世界平和の擁護と共同発展の促進のために新たな貢献をしてきた。

われわれがうち出し、推進している調和世界の構築は、現下における世界の発展の流れ及び各国人民の共通の利益と願いに合致したものであり、中国の政府と人民が世界の平和と進歩のために尽くしていくという確固とした信念を具現するものである。調和世界の構築とは、政治上の平等、民主、経済上の互恵協力、文化上の交流、共同進歩をめざし、国家間の友好・協力を通じて、共同で地球規模における伝統的及び非伝統的な安全保障の挑戦に立ち向かい、世界の恒久平和と共同繁栄を実現することである。複雑でめまぐるしく変化する国際情勢に直面し、われわれは平和、発展、協力の旗印を高く掲げ、あくまで平和・発展の道を歩み、揺るぐことなく独立自主の平和外交政策を実行し、断固として平和共存五原則を踏まえ世界各国と仲よくつきあい、国家の主権、安全と利益を守り、わが国発展にとって重要な戦略的チャンスを逃すことなく、小康社会を全面的に建設し、社会主義現代化建設の進捗を速めるための良好な外部環境づくりに取り組まなければならない。

われわれは経済貿易、科学技術、文化、教育、スポーツなどの諸分野における対外交流と協力を大いに繰り広げ、世界各国の人民との理解や友情を深め、中国の平和、民主、文明、進歩のイメージを確実し、わが国の公民と法人の海外における合法的権益を守り、法に基づいて外国公民の中国における合法的な権益を尊重し、保護する。

われわれは各国人民とともに、恒久平和、共同繁栄を目指す調和世界の構築の推進に向け、たゆまず努力しなければならない。

代表の皆さん!

未来を展望するならば、偉大な祖国の前途は極めて明るい。われわれの使命は崇高かつ神聖なものであり、その責任は非常に重いが栄光に輝いている。全国各民族人民は胡錦濤同志を総書記とする党中央の周りにかたく結束し、ケ小平理論と「三つの代表」の重要思想の偉大な旗印を高く掲げ、科学的発展観を全面的に実行に移し、社会主義調和社会の構築を速め、万人心を一つにし、進取の精神をもって開拓に努め、全力をあげて引き続き改革開放と社会主義現代化事業を前進させていこうではないか。

「人民網日本語版」2007年3月16日


 

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