唐家セン外交部長、第10期全国人民代表大会で記者会見


 

 中国外交部の唐家セン部長は3月6日北京で、現在朝米関係が膠着状態に陥った原因は、双方が互いに相手側を信じないことにあると指摘した。

 これは、第十期全国人民代表大会で行った記者会見で述べたもの。

 唐家セン部長は、「中国側は、朝米の直接対話を主張する。しかし、この問題で朝鮮に圧力をかけたり、或いは制裁をくわえたりすることには反対する。こうしたやり方は朝鮮半島の情勢を更に悪化させるだけでなく、朝鮮の核問題の解決にマイナスとなる」と述べた。

 唐家セン部長は更に「中国側は、朝鮮が核兵器を開発する意思がなく、朝米双方でこのことを確認することが出来て、朝鮮側が核査察を受け入れることが出来るとの朝鮮の姿勢に注目している」と語った上、「朝鮮半島の緩和や安定と朝鮮の核問題の平和的解決にプラスとなる提案に対し、中国は積極的で、開放的な態度を取る」との姿勢を示した。

 また、唐家セン部長は日本記者の質問に答えた際「中国は中日間のハイレベルの相互訪問に対してずっと積極的な態度をとっている。こうした重要な相互訪問を成功裡にかつ効果的に行うため必要な条件を作らなければならない。日本は中国の重要な近隣であり、中国政府は一貫して日本との善隣友好協力関係を重視し、今後も引き続き日本との関係を重視するだろう。中国側は日本側と共に努力して、中日間の3つの共同声明を踏まえて、歴史を戒めとし、未来に目を向けるという重要な精神に基づき、両国関係の健全で安定した発展を推進していきたい」と述べた。

 また、日本の政府要員の靖国神社参拝問題にていて、唐家セン部長は「靖国神社の正式参拝問題は一般的な問題ではなく、少なくとも日本の政権担当者がこれまでアジアの隣国を侵略し、中国を侵略した歴史に対してどんな態度を取るかということを反映している。中国は一貫して歴史の事実を尊重し、その中から有益な教訓を汲み取り、更に進んで前向きな態度で中日間の善隣友好協力関係を発展させることを主張している」と強調した。

 唐家セン部長はさらに、「私はまもなくニューヨークで安保理のイラク問題に関する関係会議に参加するが、例え1%の政治的解決の可能性があれば、中国は安保理の常任理事国として、この目標実現のため最大な努力を払うつもり」と表明した。

 唐家セン部長はその際、「イラク問題はいま武力解決か政治解決かの鍵となる時期にある。中国はイラク問題が国連安保理の枠組内で政治的に解決されることを希望する。イラク問題の政治解決の可能性はまだある。」としたあと、さらに「核査察を引き続き強化し、問題を解明し、政治的解決を求め、戦争を避けるべきだ。中国はこれらの問題を処理する際、事実に基づき、中国の外交方針と政策を基準に、中国人民の根本的利益から、独立自主で判断を下すのだ」と強調した。

 唐家セン部長はまた、「当面の国際情勢の発展と変化によって、中国の石油、天然ガスの輸入はいくらか影響を受けるが、しかし大きな影響がない。このため中国は外交政策の調整を根本的に行うことはないだろう」と表明した。

 その際、唐家セン部長は「石油と天然ガスは古くから戦略的資源と見られている。中国は石油と天然ガスに乏しい国であり、毎年海外から多く輸入している。しかし、中国はこの問題に前から気がついており、実際の需要と現実的な可能に基づき、石油と天然ガスの輸入に関する多元化の戦略を制定し、これを実行した。当面の情勢の発展と変化によって、いくらか影響を受けるが、大きな影響はない。」と述べた後、「中国は早くからあらゆる準備を整えた。当面の情勢の発展と変化によって、中国は外交政策の根本的な調整を行うことはない」と強調した。

(「CRI」より)2003/03/07