郭樹清・中国為替管理局局長 記者の質問に答える


 今期政協大会に参加の郭樹清・中国為替管理局局長は記者の取材にあたり、為替管理と資本市場の対外開放などの焦点の問題について答えた。

記者 昨年年末までで中国の外貨の貯えはどれほどあるのか。中国にとって多いのか少ないのか。

 郭樹清 昨年年末で中国の外貨保有高は2846億ドルに達した。これは基本的には中国の経済発展の水準と国際的趨勢に適応するものだ。この程度の増加態勢は国家と企業の対外信用度維持、中国経済と人民幣にたいする内外の信頼増強にとって有利であり、同時に、国際貿易の展開、突発事態への対応、国際収支のブレにたいする平衡化などにとっても有利だ。

 記者 中国の外貨保有高の構造はどういうものか。投資と監査はどうおこなう。

 郭樹清 中国の外貨保有高で米ドルがかなり大きな比重を占める。これにユーロダラーと日本円等の貨幣が次ぐ。中国の手持外貨の経営管理は「安全、流動、増値」の原則にしたがう。手持外貨は海外においては主に信用等級の高い政府債券、政府機構債券、会社債券、国際金融組識債券に投資するので、かなり高い安全性と流動性を持つ。目下、中国の手持外貨の海外における投資と監査・管理の状況は良好だ。

 記者 中国での資本項目開放、人民幣の両替完全可能についての時間表はあるのか。

 郭樹清 中国の為替管理体制改革の長期目標は人民幣の交換可能の実現である、と中国は1993年にすでに提起した。中国では1996年に人民幣の経常項目の交換可能を実現した。国際貨幣基金の資本項目交易の区分け標準にもとづくなら、現在までで五割近くの資本項目交易が制限を受けない。厳格管理の項目は二割足らずだ。だから、人民幣は資本項目においてはすでに部分的な交換可能を実現している。しかし、資本項目の完全開放は一定のしかるべき条件が必要となり、中国は資本勘定の開放に慎重に対さなくてはいけない。したがって、人民幣の資本項目の交換可能についての明確な時間表は無い。

(本誌記者 王浩  2003.3.8)