全人代、全国人民代表大会の年度会議がこのほど、北京で開幕した。ここ数日、全人代の代表達は、政府活動報告や、計画と財政報告などについて審議と討論を行った。今年、43才の陳暁萍さんは中国東南部・沿海地方の福建省からの代表で、かつて、一時帰休者だった陳さんは今、60箇所の売り場を持つ朝食会社を創設し、多くの一時帰休者がこの会社に勤めている。今回の全人代会議で陳さんは、健全な再就職の仕組みと社会保障体系の整備など、最も関心を寄せる問題について、政府に自分の意見を提出しました。
中国では、国有企業の改革に従い、陳暁萍さんのような、レイオフされた一時帰休者が2700万人に達しました。中国政府は、これらの一時帰休者の基本生活を保障し、更に新しい仕事を斡旋するため、税の軽減など再就職に関する一連の優遇政策を実施しています。各クラスの政府は地元の状況に基づいて再就職サービスセンターを設け、1800万人のために仕事を斡旋した。陳暁萍さんは「政府部門のこれらの措置は、一時帰休者のために、しっかりした保証を提供しているが、訓練・養成の面で更に力を入れる必要がある」との考えを示した。陳暁萍さんは「私達の政府は、この問題を非常に重視し、責任感を持っている。私は、再就職の面で各クラスの政府の支援を受けたことがある。中央政府は一時帰休者の再就職について多くの効果ある政策を制定したが、しかし、一部の地方ではこれらの政策は着実に実施されていない。また、政府は一時帰休者への訓練・養成を更に強化しなければならない」と述べました。
伝統的な生産と経営の体系の下で、陳暁萍さんの年齢と同じような多くの人々は往々にして教育レベルが高くなく、市場需要に適合する職業能力も限りがあることから、国有企業の改革と市場の競争に直面すると、不利な状況に陥る。これらの人々の再就職問題を解決することは、既に、各クラスの政府が直面している重要な課題となっている。上海では、政府が40歳から50歳の一時帰休者に再就職の訓練・養成をし、更に、「4050プロジェクト」を制定した。このプロジェクトは訓練・養成を受けた一時帰休者に再就職の支援をし、市場化の手段で、その就職問題を解決することだ。このプロジェクトが実施されて1年来、40歳から50歳の5万人の一時帰休者に仕事が斡旋された。
また、多くの全人代の代表は、朱鎔基首相の政府活動報告で提出された就職環境の改善と就職チャンスの増加を政府の重要な職責とすることに、賛成の意を示した。また、代表達は「就職は国民生活の根源で、政府は経済発展を進め、再就職体制を改善すると同時に、関連の社会保障体系を構築・完備させる必要がある」と述べた。
一方、全人代表の張左己社会・労働保障相は「政府は、社会保障活動に更に力を入れ、社会保険の適用範囲を拡大し続けることにしている」とした上で「今年から、養老保険に加入する人数は1億3000万人から1億5千万人に達し、失業保険が、元の1億人から1億1000万人となり、医療保険も9千万人から1億人になる」と述べた。
(「CRI」より)2003/03/13
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