国務院・発展センターの対外経済研究員を務める隆国強氏は、対外貿易経済合作部と国家経済貿易委員会が廃止され、新たに商務部が設立されたことについて、「今回の改革は国内・国外という2つの市場の統一を推進するもので、これら2つの市場、2つの資源の利用をさらに進めることに役立つ。社会主義市場体系の確立と改善のための重要な1歩であると同時に、世界貿易機関(WTO)加盟時の合意事項を履行したことによる必然的な結果でもある」と語った。
隆氏によると、WTO加盟時の合意事項に基づき、加盟後3年以内に、国内外の企業すべてに貿易権が自動的に与えられる。企業は自由に輸出業務を行うことができ、貿易はもはや特権ではなくなる。商務部の創立は、このような歴史的流れに順応した結果である。
計画経済が行われていた時期を振り返り、隆氏は「中国では、国内と国外の貿易、国内と国外の市場に分けて、貿易額の割当による管理体制が採られていた。対外貿易分野ではさらに厳しい専門経営制度が運用され、圧倒的多数の企業が対外貿易経営権を奪われていた」と説明した。
改革開放後、このような制度は少しずつ変化してきた。外資系企業の対中投資を促すため、中国政府は外資系企業に自社製品の輸出権や自社で使用する機械設備の輸入権などを与えた。対外貿易体制改革が進むにつれ、より多くの国内企業が対外貿易経営権を得ることとなった。国は1999年、国有企業以外による対外貿易分野への参入制限を撤廃し、それ以降、全国の民間企業4万社以上が輸出入権を獲得した。
隆氏は「中国の対外貿易の伸び率は20年以上、GDP成長率を上回っている。1978年には世界32位だった中国の貿易高は、2002年には5位に躍進し、貿易大国の一員となった」と指摘し、貿易額の急増は、改革により貿易会社の資本の多元化が進んだためと分析した。
新しく設立された商務部は、これまでの国家経済貿易委員会、国家発展計画委員会、対外貿易経済合作部の貿易関連の機能を統合させた組織。主に、市場運営と流通分野の政策法規、体制改革、測定分析、国際協力、反ダンピング・反補助金分野での組織的対応を担当する。これについて隆氏は「今回の改革は中国が世界的動きに合わせ、国際社会と足並みをそろえたことを示している。統一、開放、競争、秩序を原則とした現代化市場システムを確立するための新たな一歩だ」と述べた。
(「人民網日本語版」より)2003年3月13日
|