カク富霞代表―――穀物の栽培には学問が必要

 カク富霞代表は吉林省・梅河口市の農場で働く農民だ。全人代に出席するため北京を訪れた。

 カク代表はスーパーで、農場が供給した白米「梅河」が1キロ7.7元で売られているのを発見した。供給価格は同2.6元、東北地方の一般的な白米は同1.4元だという。

 「長年模索してきて気づいたのは、穀物の栽培にも学問は必要だということだった」。カク代表は感慨深い表情を見せた。「単なる増産ではなく、高効率、高良質、生態を重視した農業、農業の細密加工を目指して発展していかなければならない」。

 カク富霞氏は第8期、第9期そして第10期と、3期連続して全人代の代表、全国の「三八紅旗手」、吉林省の労働模範……。当地では非常に有名な人だ。

 カク代表は1986年に約13.3ヘクタールの農場を請け負い、現在は86.7ヘクタールまで拡大。技術者を8名雇い、科学技術を重視しながら農業科学技術試験基地、科学繁殖育成基地を建設する一方、周辺の農家数百世帯に作物を発注する経営を行っている。

 十数年におよぶ土との接触を通じて、カク代表は科学技術のもつ力を肌で感じ取った。「これまで回り道をしてきた」と率直に話す。農業専門家に科学技術で協力を仰ぎ、また自らも農業専門書を購読して技術を把握し、今も農業放送通信教育学校で学んでいる。名刺には「高級農芸師」の肩書きが印刷されていた。

 農業と農村、農民をめぐる様々な問題について、カク代表は「まず科学技術を利用して農産品の生産量を高め、品種を調整するとともに、農業の産業化についても調整を行うことが必要であり、政府はこの面で優遇と支援を与えなければならない。特に、県や郷の1級技術者による農民に対する指導的役割を十分発揮させることが重要である。第2に、農業関連の主力企業を大々的に発展させて、農村の発展を牽引し、政府は低利子の融資や税の減免で支援していかなければならない。第3に、「企業プラス農家」の発展モデルを大々的に推し進めていくことが必要だ」と強調した。

 3期連続して全人代に出席した?代表は今期、数多くの提案を準備した。農民への融資問題、農業の産業化以前、その過程、産業化後のサービスの非調和性の問題、「科学技術による農業振興」策の定着、農民への市場情報伝達の強化など。

 カク富霞代表は今後、白米の細密加工に着手する予定で、銘柄は自らの名を取って「富霞」。「来年の全人代のときには、農場の自前ブランド米が市場に出回っているでしょう」。

(「チャイナネット」より)2003年3月14日