軍事は国家の安全にとって「重中の重」


 経済のグローバル化にともなって、国家の安全に影響を与える要素が日増しに多元化している。解放軍から選出された全人代の代表たちは「軍事は国家の安全にとって『重中の重』だ」として、ややゆとりのある社会を全面的に建設するためには強力な軍事的安全保障が必要である、と述べている。国家という概念が存在するかぎり、軍事的安全は依然として国家の安全の核心である、と彼らは認識している。

 国防大学の霍小勇・全人代代表は、軍事的実力と経済的実力、国家の凝集力が国の総合的な実力の三大核心を構成しており、然るべき軍事的実力がなければ、総合的な実力は跛行的なものになってしまう、と述べている。

 さらに霍代表は、平和と発展が依然として現在の世界の主題であるが、平和と発展に影響を及ぼす不確定要素は増加している。不公正、不合理な国際政治・経済の古い秩序は根本的には変わっていない。国際政治の中で、軍事力あるいは軍事的威嚇に訴える傾向は依然存在している。平和を脅かす「伝統的な要素」と「非伝統的な要素」(注釈)が入り混じり、安全への脅威は複雑化する傾向にある。戦争を生み出す根源は除去されていない。戦争の原因は広範化する勢いにある。

 解放軍の全人代代表は一致してこう述べている。「戦争に勝つことよりさらに神聖なことは、平和をかちとることである。平和をかちとるためには軍事的な実力による保証が必要である」

注釈:

 平和を脅かす「伝統的な要素」とは、国家が直面する軍事的脅威および国際的安全に対する脅威の軍事的要素を指す。脅威の程度の大小に応じて軍備競争、軍事的威嚇、戦争の三種類に分けられる。戦争は局地戦争と全面戦争、国際戦争と国内戦争、通常戦争と核戦争に分けられる。

 平和を脅かす「非伝統的な要素」とは、平和を脅かす「伝統的な要素」に対応する言葉で、軍事的、政治的、外交的衝突以外の、主権国家および人類全体の生存と発展に対する脅威となる要素を指す。この中には、経済の安全、金融の安全、生態環境の安全、情報の安全、資源の安全、テロリズム、武器の拡散、疾病の蔓延、国際犯罪、密輸と麻薬、密入国、海賊行為、マネーロンダリングなどが含まれる。

(新華社から)本誌編訳2003/3/14