中国経済の世界におけるポジション設定
――中国の台頭はいかなる者にも脅威をあたえない


 中国経済はどのような位置にあるのか。「中国脅威論」をいたるところに振りまく者もいる。繁栄はうわべだけで中国経済は実際には危機に取り巻かれ崩壊の縁にある、と声高にする者もいる。これらさまざまの評論に対し、「両会」参加の代表や委員にしろ、「両会」未参加の経済専門家たちにしろ、いずれも「脅威」と「崩壊」は中国の実状には合致していず、実際には中国経済の伸長がとどまるところを知らないのは事実であり、中国の台頭がいかなる者にも脅威を与えないのも事実である、と見ている。

 「経済総量世界第六、貿易総量世界第五、外商の直接投資世界第一」国家統計局国民経済核算司司長の許憲春さんは語る。「これらの厳然としたデータは中国経済の世界における地位が日ごとに高まっていることを一つの側面から反映していて、『中国崩壊論』は成り立たない」

 世銀駐中国代表処の首席経済学者ディパックはこう見る。中国は今速やかにアジアの活力に満ちた生産ネットワークの中心になりつつある。かなりの高収益は資本の中国流入の趨勢を支え、中国は成功的な経済図式を他の国に示しつつあり、世界にもっとも大きな希望をもたらす国である。

 国際的に一部の人々ではあるが、歴史的に見て大国が高速発展するさいにはかならず対外拡張をおこなっており、中国もその例に漏れない、と見ている。これは「中国脅威論」の主な根源となっている。これに対し、国際戦略研究専門家の賈慶国さんは次のように述べる。歴史的には確かに多くの国が経済発展の過程で拡張をおこなった。しかし、中国はこのような道を決して歩まない。第一に、二十一世紀において武力拡張はもはや国家が富みを得、利益を獲得するルートではなくなった。第二に、国際貿易と国際経済の発展は、一国が平和的手段を経て自らの利益を得、技術、資金、管理人材、国家の富みを得るのが可能となった。第三に、二度の世界大戦は世界に痛ましい教訓をもたらし、現在では反戦の感情が世界的にきわめて強烈であり、敢然と戦争を起そうものならば、正当な理由の無い場合、世界各国の反対に遭う。中国はそうした大国の対外拡張の轍を踏む必要もなければ、決して踏みもしない。それとは反対に、中国は他国と発展を共にし、進歩を共にし、それによって世界の平和と発展を推し進めることが出来る。

 統計学専門家の鄭京平さんはこう見る。中国経済は迅速に伸長しているが、経済総量、輸出入貿易量ともに世界に占める比重はかなり低い。特に一人当たり平均水準は世界のそれとの差がより大きい。中国経済の世界にたいする影響力はなお限られている。いわゆる「中国脅威論」「中国輸出通縮論」ともに中国にたいする深入った掌握に欠けている。

 ディパックさんは局外者として、発展を早めることの中国にとっての特殊な意義を次のように説明した。中国は現在計画経済から市場経済、農業経済から工業経済、閉鎖から開放への大掛かりな型転換を経ている。経済がすみやかに発展すれば問題が解決し易くなる。経済の発展が緩慢であれば、問題は山積し、安定にひびく。したがって、中国は発展を早めてはじめて問題を発展の中で解決できるようになる。

        (本社編訳 「新華網」より 2003/3/16)